武術の師匠

 今僕は師匠に僕の疑問を答えてもらえず、モヤモヤしながら鍛錬所に向かっていた。


「師匠…さっきの僕の疑問に答えてくださいよ!」

「わかった!わかったから、その端正な顔を近づかせてこないで!私の他にもこの家に住んでる人がいるのよ!」

「そうなんですか…え、待って師匠もしかして貴女…男性に対して耐性がないんですか?」

「ギクッ!…わ、悪かったわね!私はインドア派だから買い物とかは大体カレンに任せてるのよ!」


 インドア派だとしても1000年以上買い物に行っていないのは逆にすごいな…とゆうか、

 カレン?誰だろうか…一緒に住んでいるらしいし…もしかしてそのカレンって名前の人が

『武術の師匠』なんじゃないか?


「…師匠、カレンっていう人は僕の武術の師匠になる人ですか?」

「正解よ!正解だから離れて!ほら!さっさと鍛錬所行きましょ!私をからかった罰として初日から厳しくさせてもらうわ!」


 しまった、完全にやらかした。ちょっとからかっただけなのに…

 そんなことを考えていたら突然


 ボガァーン


 と音がした方向に目を向けると地面は抉れクレーターができ、抉れた勢いで起こった土埃が晴れてくると…クレーターの中央に1人の女性が立っていた。


「ん〜?誰っすか?お前さんは?」


 いやいやこっちが聞きたいよ!


「あっ、もしかして侵入者っすか?まったく、シトリンも年っすかねえ…」

「だああああれが年しよ!この馬鹿女!クレーターの片付けは誰がすると思ってんのよ!それにこの子は侵入者じゃなくて私達の弟子よ!」


 僕の前から瞬間移動して見知らぬ女性にげんこつをお見舞いする。

(私達ってことは…この女性はカレンさんか?)


「貴女は…カレンさんですか?」

「そうっすよ〜私がカレンっす!よろしくっす!え〜と…弟子ちゃん!」

「…僕の名前はフィルです」

「お〜フィル!フィルッすね!これから君を

 武術の師匠として鍛えてやるっす!」


 …なんか熱血そうな人来たな〜

 なんて悠長に考えてられるか!

 この人クレーター作る勢いで落ちてきて無傷だぞ!大丈夫か?!僕死なないか?!

 僕のそんな気持ちなど知らずに鍛錬は始まった。



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