第4話

 こういうときこそ、スマホ……スマート(賢い)フォンの出番だ。

 ディスプレイをじっと見つめてやるだけで、待ち受け画面のお花畑が現れる。

 パソコンも、こうでなければならない。

 だが、俺は重大なことに気付いた。

 スマホ待ち受け画面のお花畑に、検索エンジンのトンボが現れないのだ。

 あまりにも田舎なので、ネットの電波が届かないらしい。

 これでは、「パソコンの電源がどこにあるか」という情報をネットで検索できない。

 がっくりと椅子にもたれたが、ふいと気持ちが楽になった。

 俺を眺めて薄笑いを浮かべている子どもの姿が、今日は見えないのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る