23.クレープ


最初は少し不満そうな名取さんだったが時間が経つとともにその不満そうな顔も無くなり楽しそうに遊んでいた。


「久しぶりに来たけどやっぱり楽しいね~」


私が前に来た時と違ってアトラクションとかも増えてるし。


「そうですね!まぁ、本来の予定と違って佐藤さんがいるけど……」


「まぁまぁ……それよりそろそろお昼の時間だしご飯食べよっか?」


私がそういうと綾目が口を開く。


「ねぇねぇ!じゃあさあそこにあるクレープとかいいんじゃない?」


そう言い指をさす。その方向には綾目が言った通りにクレープの屋台があった。昼の時間帯なので少し並んでいるが数分もあれば買えそうだ。


「私はいいと思うけど名取さんはどう?」


「私もそれで大丈夫です!」


名取さんも大丈夫だということで私達はクレープを買うことになった。


「じゃあ皆どれ選ぶ?」


「私はこれ!」


「じゃあ、私はこれで……」


そうして各々が好きなクレープを選び終え買う。


「うわぁ、おいしそう!」


「私のセンスが光ったかな!!!」


そうドヤ顔で胸を張る綾目。そんなにドヤることじゃないと思うけど。

そうして各々が買ったクレープを食べていると綾目が私のクレープを見て言った。


「そのクレープ私に一口ちょーだい!」


「別にいいけど」


子供の頃からこういうことは良くしてたし別に今更気にすることもないし。


「はい、あーん」


そう言い私がクレープを綾目の口に向けて差し出すと綾目も口を開け私のクレープを一口食べる。


「どう?」


「ん~!おいしい!」


そう笑顔で返事する綾目だった。




───────────────────────


作者の考え

百合の良い所の一つに男女とは違って距離感が近いっていうのはあると思うんです。

男と女じゃもっと距離が離れてると思うし。


あと単純に尊い。


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