第4話 学校騒然

昨日は課題をやっていてあまり寝られなかったせいかとても今日は眠かった。蝉の音がするなか、私は朦朧とする頭に抗うように生物の授業を聞いていた。「DNAはデオキシリボ核酸っていうのは中学でもやっただろー」私は限界を迎え意識が飛んだ。「ガタン」と足が動いた。「加瀬ぇお前また寝てただろージャーキングすんなよー」先生が笑う。私は現実逃避しようと窓の外を見る。

 夏特有の積乱雲が忙しなく動いている。碧天の空と白練り色の入道雲に混ざって赤い直線が空を切る。「な、なにこれ」私は気づくと呟いていた。気づいた生徒たちがざわついている。中には面白がる男子や悲鳴を上げる女子もいた。

放送の合図とともに男性教諭が告げる。「校庭にいる生徒、先生方は今すぐに校舎内に入ってください。また、四階にいる生徒は三階に移動してください。生徒の皆さん落ち着いて聞いてください」少し躊躇った後「60年ぶりにファフロスキーズがいま、この町で起きています。もう一度繰り返します」外からはサイレンの音、市役所からの放送が私たちを覆っていた。「落ちた」女子生徒が言う。「あぁ死んじゃぁあう。死んじゃぁあうんだぁあ。明日ライブだったのにぃぃい」刹那目の前で爆発した。

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