第3話 砂糖の性質の話
砂糖が水分を吸着すると言われても、いまいち納得できないし、イメージがつかないって方もいるかもしれませんね。
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脱砂糖を薦められた当時、かかりつけ医の話を聞きながら、自宅の冷蔵庫で保存していた使いかけの砂糖のことを思い出しました。
私が何を思って砂糖を冷蔵庫にいれたかは覚えていないのですが、タッパーに入れた砂糖は、見事にカチカチに固まっていました。冷蔵庫のなかで乾燥し固まったのですが、当時はそんなメカニズムを知らず、とりあえずスプーンで引っ掻いて削って使っていました。
金槌で叩かなきゃ砕けないんじゃないか?
そう思えるほど、削るのも一苦労なカチカチ具合だったのを覚えています。
困り果てたが良い策も思い浮かばなくて、どうしたものかと台所に放置しておいたところ、しばらくしたら上部が柔らかくなったのです。翌日には、さっくりとスプーンが入る程に!
後日、テレビで固まった砂糖には霧吹きで水をかけると良いと知りました。つまり、あのカチカチだった砂糖は、外に放置されたことで、空気中の水分を吸着してほぐれたのです。
放置しておいても空気中の水分を吸ってしまうのですから、水分と一緒にとれば、身体に水を溜め込んでくださいと言っているようなものですよね。
体内の水が滞り、排出が追い付いてないところに、さらに水分を入れるのですから、水を飲むだけでも太る現象が起きても、おかしくないですよね。
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砂糖や塩が水分を吸着する性質は、古くから、保存食に使われてきたことで分かってもらえるかと思います。
腐敗は水分が起こすことです。なので、食品の水分を砂糖や塩が吸着することで、それを防ぐ助けになるわけですね。
砂糖が使われた代表的なものは、ジャムや砂糖漬けでしょう。今でこそ、冷蔵庫の改良や健康志向でジャムに使われる砂糖はだいぶ少なくなりましたが、古くは、果物と砂糖の量は1対1と言われてました。私の母が作るジャムはまさにそれ。果物よりも砂糖の味が主張してきします。
ジャムは、パンに塗って、ヨーグルトにかけてと、身近な甘味料でしょう。
でも、その半分が砂糖だと思うと、どうですか?
なかなかなの摂取量ですよね。
保存料の塩は、基本的に塩抜きしないと食べられたものじゃないです。塩抜きしない漬け物だったら、少量で良いですよね。でも、砂糖はぺろっと食べられちゃうんですよ。その甘味は美味しいんです。
そして恐ろしいことに、砂糖の甘味というのはダイレクトな満足感を脳に与え、幸福感をもたらせるので……忘れないんです。もっと、もっと、と欲しがるようになります。そう、依存体質の方は我慢できなくなる闇があります。
ケーキを1カット食べたばかりなのに、別のも食べたくなる。スイーツバイキングは別腹。際限なく食べられる気がする!
そんな思い出がある人もいるでしょう。私も、そうでした。
過去には麻薬並みの依存性がある、なんて論文もでましたね。(ただし、動物実験による結果で、ヒトに依存性を発揮するかは立証されてません)
麻薬は言いすぎだとしても、砂糖の甘味は、もうちょっと、もう一口……と、なりがちだと私も思います。
砂糖の性質から、水との相性が良すぎるのは、何となく分かってもらえたでしょうか?
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