第2話
前ノ宮は連れて行かれたが、帰りも邪魔が入った。
横ノ宮だ。
「助けてー真中!」
「絶対嫌です。」
「昔はよく助けてくれたじゃん宿題」
「もうやりません。」
「えー酷い。」
「じゃあ俺、部屋に戻りますので。」
「またさ、真中の部屋行っていい?」
「絶対お断りします。」
また物が盗まれるかもしれないし。
「酷いよ、本当に最近どうしたの?冷たすぎない?」
冷たいのは、お前だろ。ずっと道具のように使って。
いつもは自分たちは家族のように仲が良い話を毎日のようにしていたのに、
「宿題、やってくれるか、うつさせてくれるまで通さないからね。」
「ポチッとな。」
そして、横ノ宮も回収された。
昔は、毎日のように宿題を手伝っていた。横ノ宮は正直学力が悪い、平均より下だった。
いつも部屋に入ると娯楽をするから、我慢するために、エントランスで勉強をして何時間も掛けて宿題を終わらせていた。
俺はそんな横ノ宮に勉強を教えていたんだが、段々とエントランスでなく、俺の部屋や横ノ宮の部屋でやるようになった。俺がいるから大丈夫だと言っていた。だが、俺の注意は聞かず、結果部屋で遊ぶようになっていた。さらに悪化して宿題は全部人任せになっていた。
その時は俺もかなり悪く、部屋で遊ぶことを止めることも出来ず、宿題も結局俺がやりきってしまったこともあった。だが、横ノ宮も俺のことをパシリと言っていた人だった。そして、散々嫌がらせや虐めをしてきた。当然それならもう一緒に勉強しないし、手伝わないし、宿題もやらない、謝っても許さない。
高校になってまで、虐めをする人はもう既にそう言う人間なんだから、どんなに謝罪をされても仲良くしようとはもう思わない。
奥から、横ノ宮の悲鳴が聞こえるようになった。たまに前ノ宮の悲鳴も聞こえる。
部屋に戻って、悲鳴を聞きながらゲームをすると、今度は、電話の通話履歴が溜まっている。
同じ寮にいるのに、電話か。
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