第12話 初舞台
ガヤガヤと、人通りのする音が、かすかに聞こえてくる。
ガクンと頭が
……あれ? いつの間にか眠っちまったんだな。えっとここは? ……そうか、
公園のベンチに座ったまま、うーんと
ん? なんだあれ? 公園の
にしても
よっこらしょと。ベンチから立ち上がると、ショップの二階へ
「……ウズメ? もう衣装は決まったのかな……?」
店内に入ると、『綾波』の姿が見える。ちょうどいいや、聞いてみよう。
「あの……ウズメ……えっと、一緒に来た
「あ、あら、あなたは先ほどの……先ほどは大変失礼いたしました」
「いや、全然! 全然気にしてないので大丈夫です! ……それよりその……」
「お
……え、そうなの? ベンチで眠りこけている間に、すれ違いになっちまったってことなのか?
「もう
……え? そんなに経つの!? そういや、あいつ
「……と、とりあえず、探してみます。ありがとうございました」
そんなに遠くに行ったとも思えないし、公園の
綾波に向かって軽く
目の前の公園を見渡すと……そこには、
……な、なんだこりゃ!?
いつのまにやら、めちゃめちゃ大勢の人たちが、この小さな公園に集まっている。
『みーなさーーん、こーーんにーーちはーーーーー!!』
どわっ!! 巨大なスピーカーから発せられた爆音に、衝撃を受ける。
「な、
『今日は、お集まりいただきましてー、誠にありがとうございまーす!』
さっきのデカいトラックが、特設ステージみたいになってやがる。
『
ステージ上の大きなモニターに、「美玖の妹選手権!!」という文字が
な、なんじゃこりゃぁ!? ……
『では、リモートで繋がっている美玖さんに、さっそく登場して頂きましょう! どうぞ~』
『ハーイ!
カメラに向かって、両手を振る
ステージの近くに押し寄せた、
っと、それどころじゃない。こんなに
『
鶉娘も、あの
『それでは、さっそく始めていきましょー。
「おーっ!!」という歓声が響き渡る。
僕は、ステージを
こ、これは……男ばっかじゃねーか!! むさくるしいにも
『と、いうわけで、四名の妹
ステージ下からは、「イン・マイ・ハー、イーン・マイ・ハー」の大合唱。モニターの向こうにいる美玖も、リズムを
ステージ上に登場した、十代後半の女の子たちに目を向ける……最後に登場した女の子を見た瞬間、
……な……な……え? ……うそうそ……いやいやいやいや、無い無い。
この世には、自分とそっくりな人間が、三人存在するんだっけ? なんかそんな話聞いたことあるよ。
つまり、あれは……あそこにいるのは、そっくりさん……というワケで、早く
うーずぅ〜めさぁ〜ん。かぁーくれぇーてい〜ないーで、でぇーておーいでぇ~~。でぇーないーと、めぇーだまぁーを、ほぉーじくぅーるぞぉ~~。
そんな思いを
ステージ上の女の子たちが、順番に自己紹介を進めていく。四番目の女の子の番が回ってきた。
新曲PVで
あー、怖い怖い……やだなー……
「
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