第10話 秋葉原
来てしまった。とうとう来てしまった、この場所に……。
そう、日本が世界に
そこのアナタ、アナタももうお分かりですよね……そう、それは
ってまあ、上京して
『オタク』という言葉の持つ意味合いも大きく変わり、現代では、れっきとした市民権を獲得している。日本国民
そう、そうなのだ。秋葉原は、けっして
「にゃんにゃんカフェでーす! そこのアナタ……ワタシと、ニャンニャン、し・な・い?」
にゃに!? にゃ、ニャンニャンって……ニャンニャンって、にゃんなのかな……あはは……。
「わぁー、猫耳のメイドさんだー! カワイイ! ねえショーマ、アレって猫カフェだよね!?」
「……猫カフェ?」
「イイなぁー。猫カフェもアリだよね~」
プラカードを持った猫耳メイドのおねえさんに向かって、
……猫カフェだったのか……あ、アブねえ……。コチとらてっきりニャンなこととか、ニョンなこととか、色々……イロイロしてくれるお店なのかと
アブねえアブねえ……油断も
こりゃぁ心してかからねえと、今度こそ
カンフーの
「ショーマ? ……さっきから何やってるの? なんか、挙動不審だよ……?」
そう言って冷たい視線を浴びせつつ、距離を取り始める
「ニャンでも……いや、何でも無い!」
何を
まわりを見渡せば、メイド服だけに
普通に考えたら
そんな中にあって、鶉娘は白いワンピースに身を包んでいた。カジュアル系のお店で
この街を歩くには、少しばかりおとなしすぎる印象かもしれない。けれど、ぱっと見は優等生的な雰囲気を
「ねえ、ショーマ! あれ見て!」
歩道橋を進んで行くと、大型ビジョンが目に入る。そこには、発売されたばかりの
普段はせいぜいスマホの画面で見るくらいしかしていないそのPVは、さすがに迫力がある。
「おおっ! さすがに大迫力! スマホとは大違いだぜ!」
僕は画面の近くに
「ふーん……ホントに好きなんだね、ショーマってば……」
後ろから、あきれたような鶉娘の声が、すこしずつ近づいてくる。
「い、いいだろ……
ゲシッ! っと、ふくらはぎに衝撃が走る。
「痛ってぇ!」
「あら、ゴメンなさい……ショーマが急に立ち止まるから、つまずいてしまったわ……」
つまずいた……だと!? こ、こいつ、ホントかぁ……?
「き、気をつけろよな、ウズメ!」
「はいはーい、すみませーん。以後、気を付けまーす」
全然実感こもってねーな! その言い方。
「それより、
少しだけプクッと
「お、おう、忘れてねーよ。あ、アレだろ、コスプレカフェ? だったか?」
「よろしい。で、どこどこ? どこにあるのかなー?」
「ちょっとまってろ、今、調べてやっから……」
スマホで鶉娘が調べていたサイトを、
……け、けっこうするじゃねえか!? マジか? そんな
「ねえねえ、ショーマ? わかった? どの
見るからにウキウキモード全開の
……ちょっと待ってろ、
「よし、こっちの
「イェーイ! ガッテンだぜぃ!」
……ガッテンだぜぃって……この
僕達は、スマホの地図アプリを
『
細長いビルの一階から三階までが、どうやらこのお店ということらしい。一階は、いわゆるメイド喫茶というやつで、二階が衣装レンタルスペース、三階は撮影用のフロアになっているみたいだ。
「きゃー!! 凄い凄い! あの衣装、いいなー。ねえ、ショーマはどういうのがイイと思う!?」
ビルの外壁を
「……あ、あぁ、なんか凄いな……圧倒されちまって……イイも悪いも……それ以前の問題だぜ……」
「さ、いくよ!」
サッと僕の
「え? お、おい!」
人一人がようやくすれ
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