第5話 同棲
僕はその女神様という響きから、
ブロンドのヘアーに、
「ちょっと、僕の想像と違うんだけど……」
「ん? 何か言いました?」
ダイニングテーブルの向かいに
「あーいやいや、何でも……」
あぶない、あぶない、余計なこと言わない
「はい、じっとして!」
袋から取り出した『冷えぴったん』を、僕のおでこにそっと貼り付けてくれた。
と思うと、バチーンと手のひらで押し付けられた。
「つ、痛ったー」
聞こえていやがったな……。
「情けない声、出さないの。男の子でしょ」
何が男の子でしょ、だよ。自分の
「あのねぇ、もう少し
「え?
優しい? さっきから、何回痛い目に会わされてると思ってるの?
それに、女神様っていったら、そりゃあもう、優しいなんてもんじゃないっしょ。
痛い目に会わせるなんて、絶対にしないはず。
……これが、女神様ねぇ……。
「ねえ、ショーマ。それより、私お
……女神様。
ってまぁ、確かに腹は減った。
とんだゴタゴタのせいで、
「ねぇ、ショーマ、何か食べるもの無いのー?」
さすが、女神様。育ちが違う。
ふわりと放物線を
「ねえ、見た? ショーマ! 凄いでしょ。ナイスコントロール!」
Vサインを見せてくる。
「あぁ、さっきの牛乳瓶といい、いいコントロールしてる……って、おい! 何だよアレ!!」
「アレって?」
「ゴミ袋の中だよ!」
ダイニングの
どう見たってアレは、僕が昼飯用に買ってきた弁当じゃねえか!
「あー、あれ? ショーマが持ってたヤツね。んとね、冷えちゃうと
「
「はい! 食べました! ごちそうさまです!!」
ニヤッと
「……アレ
「育ち盛りの女の子を、
チッチッチッと、人差し指を振るような仕草。あいかわらず、クソ生意気だな。
「育ち盛りって、そういやオマエいったい
「オマエ!?」
ギラリとした視線が飛んでくる。
「……ウ……ウズメ……さん」
名前で呼ぶの、
「……さん……まあよろしい。ショーマ、教えて差し上げましょう。このうら
「……に、二万……だと!?」
「……えっとね、
手のひらの上でソロバンを
「ちょ、ちょっと待った!」
「え? もう少しで、計算終わるのに……」
「せんななひゃく……千七百……いちなな……じゅうなな……十七歳! ……十七歳ってことにしない?」
「うん? 十七歳? 十七歳かぁ……まぁ、それくらいでいいかなー。たしか、こっちって、
……あっちの高校? ……二年? ……こっちの世界と同じで、あっちの世界にも学校制度なんてもんが存在してるってのか?
「……
「当たり前じゃない、常識よ!? そんなことも知らないの?」
「知るかぃ!」
……うーん、1700歳超え……まさかの大大大先輩。にしちゃぁ、やることがお子様じみてやがる。
十七歳……とりあえず、そんなところか?
もう少し幼い気もするけど、まあ良しとするか。
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