第4話 死体

あの日以来俺は檸檬さんの命令通り歩数稼ぎとして頑張っている。

この日もいつも通りあの廃旅館に来ていた

襖を開けて食堂に入った俺はいつも通り檸檬さんに声をかけた。


「檸檬さん来ましたよ」


「…」


今日は何も返事をしなかった。

目の前にいるのに何も。

後ろ姿しか見ていないから表情すら分からない。


「檸檬さん?」


檸檬さんに近づくと男性が倒れていた


「私はやっていないです」


「…」


「とりあえず警察と救急車を」


「ここに来ていたことがバレたら…」


「肝試しに来ていたと言いましょう」


俺は冷静に見えてものすごく焦っていた。

手汗が酷くなっていくのがわかる。


「そうですね」


「連絡します」


警察と消防が到着した。

既にその遺体は死亡しており、死後3日が経過していたようだ。

俺たちは警察に注意を受けて二度と廃墟に足を踏み入れないことを約束した。



場所を変えましょう


檸檬さんからの連絡が来た。

場所は代永よなが公園にしようとのことだった。


わかりました


送信ボタンを押して布団の中に入った。

最近の俺はやっぱりついてないなと思いつつ、檸檬さんという女性と会えることを楽しみとして眠りについた。



「檸檬さん」


「またです」


「何がです?」


「死体があります、人間ではなく猫の死体ですが」


俺は檸檬さんへと近づいた。

心臓の音が大きくなっている気がする。


「ほんとだ」


「とりあえず警察に連絡した方が良いと思います」


「そうですね」


ここまで来ると自分が厄病神になった気がしてきた。

警察が来たあと、事情を話すぐに2人は別れた。

結局今回も歩数奴隷にされることはなかった。

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歩数稼ぎ ぴんくのーと @pink0116

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