第3話 奴隷
中に入るとまだ建物の中はさほど当時と変わっていなかった。
それもそのはず、旅館が廃旅館になったのは1年前だから。
そんなことを思いながら、檸檬さんと奥へと進んでいった。
「ここは…」
「食堂です」
「ですよね」
檸檬さんは食堂の中へとスタスタ入っていった。
俺もそれに続いていくことにした。
「座ってください」
そう言われた俺は何も考えず座布団の上に座った。
檸檬さんはというと俺の前に座った。
「これは私のスマートフォンです」
「あ、はい」
スマートフォンを渡された俺は咄嗟に受け取ってしまった。
「今日から私の奴隷になってもらいます」
「!?」
「それってどういう…」
「歩数稼ぎの為の奴隷です、貴方が歩数を稼ぐと同時に私の歩数も稼いでもらうのです」
「え」
訳が分からない
いきなり奴隷になれって言われても
「さすがに私もずっとスマートフォンを手放せないから、毎週月曜日にこの場所で会って歩数を稼いでもらう」
「あのー」
「連絡先も交換しましょう、予定の変更があれば別日に出来るかもしれないから」
話が全く通じない
やばいぞこの人
「じゃあそういうことで、今から連絡先を交換して行動してもらいますね」
そんな笑顔で言われても俺は…
「お願い」
「わかりました」
「ありがとうございます」
こうして俺はこの檸檬さんの歩数稼ぎ奴隷になってしまった
まあ悪い気はしないけど
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