第6話
集合場所に戻るとそこにはすでに半分くらいのクラスメイトが集まっていた
どうやら職業について話しているのがほとんどのようだ
―――如月。やっぱりお前が勇者だったんだろ!
―――そうだよ。まあこの中だったら当然かな
―――くぅぅ今でさえスペック完璧なのにさらに勇者とかうらやましすぎるだろ
―――ねぇねぇ職業何だったの?
―――私は回復術士だったよ。そっちは?
―――私も回復術士なんだよ。やっぱり気が合うね!
―――ね~!
もちろんボッチ人間の僕には話す相手がいないのでそのまま当たりの様子を確認していると勇者が如月だというこ話し声が聞こえてきた
(まぁ予想通り勇者は如月みたい。他のクラスメイトの話を聞く感じ勇者以外はそんなに珍しい職業はいないみたい)
ほかに役立つ情報はないかと耳を澄ましていると
―――騎士団長殿これを
―――感謝する
なにやら騎士団長がシスターから紙を受け取っているみたいだ
しばらくその様子を見ていると案内を終えたシスターがそのまま手渡していた。おそらく鑑定結果なんだろう
そんなことを確認していると最後の集団が戻ってきたようだ。そのタイミングで騎士団長が声をかけて僕たちは馬車に乗って王城へ帰った
◇◇◇
城についてすぐに騎士団長が話を始めた
「今からお前たちには朝伝えた通り職業で分かれて訓練してもらう」
そして近接戦闘、遠距離戦闘と名前が呼ばれた後ついに魔法戦闘が呼ばれた
「魔法戦闘を受けるものはソータ・ミヤシロ、カイナ・イハネ以上」
どうやら魔法使い系統を選んだのは2人だけだったようだ
「どうやら魔法使いを選んだのは俺らだけみたいだな。
「颯太だ。こちらこそよろしく」
そのまま少し待っていると騎士が近づいてきた
「ただいまからご案内させていただきますが訓練場は少々遠いのことはご容赦ください。ではこちらです」
移動している間に自分たちのステータスの話をすることになった
「やっぱり全体的にMP以外のステータスが低くなっているのは同じだね」
「あぁ。そういえばお前の属性ってなによ」
(属性ってなんだ?)
怪訝そうな顔をしているのを勘違いしたのか厷が
「そんな顔するなって。お前だけ教えたんじゃ不公平だからな。先に俺が答えてやるよ。俺の適正属性は闇と炎と風だ」
「あーいや、そういうわけじゃないよ。その適正属性ってやつがわからなくて」
「シスターに教えてもらってないのか?いいかよく聞け?俺はスキル欄にある『闇属性魔法』と『炎属性魔法』から闇と炎と風の魔法に適性があるって言われたんだ。で、お前はなんて書いてあるんだ?」
「僕のには『全属性魔法』って書いてあるから全部ってことだと思う」
そう教えると厷は驚いたような顔で詰め寄ってきた
「マジかよお前すげえじゃん。いいなぁお前みたいに全属性を使えたらかなり便利そうだよな。これが才能の差かぁ」
そういいながらうなだれてしまった。何とか声をかけようと考えていると
「そう落ち込むなよ~少年。私には君の方が才能あるように見えるぞ~」
と言いながら黒髪ロングの女性がどこともなく現れ、ガシッと厷の頭をつかむとぐしゃぐしゃと撫で始めた。厷が突然のことに驚き、固まってしまったのに対し、僕は即座にその女性から離れた。その女性がこちらに手を伸ばしているのが見えたからだ
「なんだよつれないね~。君たちの師匠なんだからもうちょっと近づいてくれたほうが嬉しいな~」
(師匠?何を言っているんだ?)
自身の記憶を確かめてもそんな単語はどこにもない
厷の方を確認してみるといつの間にか首を腕に挟まれて抜け出せないようだ
「ほら警戒しないでこっちにおいでよ。このままじゃ師匠は悲しくて泣いちゃうかもよ~」
そんな言葉で警戒を解く人なんていないだろうと思いながら逃走ルートを考えていると、騎士がやっと異変に気付いたのかこちらへ向かって走ってきたと思うと、すぐに女性の前で跪いた
「ポティス様なぜこちらにいらっしゃるのですか。訓練場で待っていてくださいとあれほど言っていましたよね?」
「なに?私の弟子になる子たちがどんな子なのかを見に来るのは不自然なのかな~?」
「そういうわけではございませんが…」
「じゃあ構わないよね?」
騎士がはぁとため息をつくのを横目に、今の会話からこの女性が言っている師匠の意味が理解できたと同時に警戒を少し緩めた
そのことに気付いたのか女性がこちらを見て
「そういえば自己紹介がまだだったね。私の名前はポティス・リンドラー。君たちの師匠となるためにわざわざ呼び出された世界最高魔術師の一人だよ。よろしくね~」
そうして黒髪ロングの女性もといポティスはこちらに向けて手を差し出してきた
「訓練場までちょっと距離があるから迎えに来たんだよ~。さぁ手を握って」
言われた通りに手を握ると下に魔法陣が現れて次の瞬間にはすでにグラウンドのような場所に立っていた
「これから君たちには私と同じく魔法使いとしての頂点まで来てもらうから死を覚悟して訓練についてきてね~」
ちなみにその間、厷はずっと首を挟まれていてすでに死にそうな顔をしていた
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