第5話

そしてついに僕の番がやってきた


(魔法使いみたいなやつでお願いします!)


「では神球を触って目を閉じてください」


言われたとおりに手を置き目を閉じる



   ◇◇◇



すると一瞬で目の前の景色が切り替わった


(この白しかない景色は神様のいる場所だろうけどいつものように意識を失う感じじゃないし、あの蛇神もいないな)


「はいはいこっち向いて。さっさと終わらせるから」


振り返ると机に座っているきれいな人がいた。


「私は職業神の一柱。今からあなたにできる職業にを教えるからその中で選んで頂戴。私の時間も有限だから早くしてね」


そういうと神様は本を机の上に開ける


「この中にあるのがあなたのなれる職業よ。決まったら教えて頂戴。内容は職業の名前を見れば確認できるわ」


(一から十まで説明してくれるなんてなんてすばらしい神様なんだ。あのどこぞの蛇とは大違いだ)


「あの蛇とは比べないで頂戴。あんな考えを持っていながら最上級神の一柱だからだれもあの蛇を断罪できないのよ。だいたい蛇のくせになんであんな力を持って…」


そして始まる蛇神への文句のオンパレード。あれのことが嫌いなのが自分だけじゃないことにほっとしながら職業欄を見始める


『魔法使い』

『魔法剣士』

『付与術士』


魔法使いはそのままの通り魔法を使えるようになる職業

魔法剣士は魔法を剣にまとわせて戦う近接戦闘の職業

付与術士はものに魔法を付与できる職業って感じ


(よかった。これで魔法使いになれる!)


一切迷わずに魔法使いを選択した


「これでお願いします」


「やっぱりあの蛇はって、あぁ決まったのね。ごほんっ。ではあなたを魔法使いにします。これから頑張ってください。それとこの記憶は消させてもらいます」


なるほど道理で誰も神様にあったって言わないわけだ



   ◇◇◇



目を開けるとそこには僕のステータス画面が現れていた


ソータ・ミヤシロ

Lv1 職業:魔法使い

HP:2000[0]

MP:□□□□□

STR:200[-100]

DEF:200[-100]

AGI:200[-50]

INT:200[+100]

LUK:200[0]

SKILL:『魔力無限』 『□□□□』 『全属性魔法:初級Lv:1』

称号:無し


(やった魔法使いになった!)


夢にまで見た魔法を使うという力を得たのだから喜ばないわけがないだろう

ひとしきり喜んだあと映ったステータスを確認してみる

やっぱり全体的にステータスは下がっているようだった。MPが文字化けしているのは『魔力無限』のせいだろう。加護に関しても文字化けしている。ここにある神球は『鑑定:上級』が付与されているって聞いたけどおそらく加護は上級程度じゃ鑑定しきれないということだろう


(なんにせよこれで勘違い即処刑ルートはなくなったからよかった)


「勇者様申し訳ございませんが『鑑定:上級』では鑑定できないようです。これ以上となると『鑑定:超級』になるのですが数が少なく聖国にしか置いておりませんので鑑定できません。まことに申し訳ございません」


「仕方ありませんよ。こうなったのはシスターの責任ではありませんので顔を上げてください」


(こんなに謝ってもらっているのに実は都合がいいのは心が痛いな)


と思っていると別のシスターが入ってきた


「勇者様の鑑定が終わりましたあとは一度集合してもらいことに王城へ戻ってもらうと聞いております。すでに馬車が準備されておりますのでご案内させていただきます。ではこちらへ」



   ※枢機卿アルミド視点



(彼は何者なのだろうか)

アルミドは馬車の中で今回の勇者様方にあいさつという名の秘密裏の鑑定のことについて悩んでいた

アルミドは過去の神託によりこのカルミド王国へやってきたのだが、今回の勇者たちの中に教皇時代にも見たことがないものを見たのだ。

アルミドには加護がついている。それもこの世界における最高神の一柱である鑑定神の加護だ。故にアルミドは鑑定神の権能の一部が使えるがその中にあらゆるものを鑑定することが出来る『鑑定:神級』というものがある。しかし、そんな神の権能であるはずのものでもソータという勇者のスキルが鑑定失敗時のように文字化けしてしまったのである。


(鑑定神様の力ですら見抜けないもの。おそらくさらに上の序列の神に関するスキルなのだろう。彼の秘密を調べるか?だが彼も勇者の一人おそらく警備は万全だろう。どうすればわかるのだろうか)


そんな悩みを抱えているアルミドの頭に中に直接声が届いた


「すまない行き先を変えてくれ。行き先は…





勇者達へあいさつを終えたあと、枢機卿の座を降りるといった手紙を残してアルミドの消息は絶える。そして新たな神託が下ったといったうわさや暗殺されたんじゃないかといったうわさが世間を漂うことになる



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