第3話

いやぁ教会について教えてもらえて助かった。セリナさんに教えてもらわないとちょっとやばかったかもしれない

どうやらこの世界ではある程度宗教は自由に選べるらしい。なぜある程度かっていうと神様は主に善神と邪伸の二つに分けられていて、善神を信仰する者には敬意を払うけど、邪神を信仰する者は魔女狩りみたいなものにあうらしい。まぁそんなことになる理由なんて簡単なもんで邪神を信仰する者は犯罪者が多いっていうこと

でなぜやばいかって話に戻ると僕のスキルの『蛇神の加護』っていうのがまずい。蛇神って邪神の一柱っていうのがこの世界の常識らしい。しかも「邪神って何がいますか?」ってセリナさんに聞いたら一番最初に名前が出るほどポピュラーな神様。

へぇ~知らなかったなぁ~けどあの性格ならそうなるよなってやばいよこのままじゃ死んじゃうよ⁉しかも信仰すらしてないのに加護ってなに⁉

で聞いてみたらどうやらさらにまずいのがその加護ってところらしい。その神様を信仰しているものの中で上位の存在に与えられるものが信仰でその中でも枢機卿とかの一握りの存在に与えられるものが加護だという。加護の恩恵は同じ神を信仰する者

には傷つけられないとかあるらしいけど絶対数の少なさからいまだにわかっていないことも多いらしい。

あのクソ邪神が。絶対あいつがこの状況を楽しむためだけにつけたものだろこれ…

まぁ実際この加護に関しては教会関係者に聞くのが一番早い。鑑定されて最悪死刑の可能性はあるけど何も知らない状況が一番まずい。どちらにせよここで鑑定を断る選択肢がないからうまくいくように祈るしかない

そんなことを馬車の中で何回も考えていると酔ってしまった

馬車ってやっぱり乗り心地最悪。これもテンプレか。同じ馬車に乗っている人すみません



   ◇◇◇



さて強制的に気分転換されたのでセリナ先生に教わった教会での常識についておさらいしておこう

主に教会で守らなきゃいけないことは

・大声を出さない

・他人の宗教に口を出さない

・教会敷地内における一切の戦闘行為の禁止

・武器の持ち込み禁止

・道の真ん中を歩かない

・信仰の邪魔をしてはいけない

大雑把にこの6個

他にも細かいルールはあるらしいがそこまで気にするのは国の上位権力者や教会関係者に限られるから無視しても構わないということ

でこれはマナーに近い部分だけど

・食事の際は音を立ててはいけない

・上位権力者が対面から歩いて来たときには道の端に寄り頭を下げること

セリナ先生が言うには上位権力者は胸にその協会の紋章をつけることが常識ということですぐに見分けがつくそうだ

こうやって並べた感じは対して難しいことは書いていないし日本での常識が備わっていれば問題ないだろう。もし日本と大きく違った場合はみんなに伝えておく必要があると思ったが特に知らせる必要はなさそう

と思っていると馬車がノックされたので窓を開けると


「カーンです。勇者様方協会が見えてきましたので今から行うことを説明させていただきます」


イケメンが馬車に乗り込んできた。この世界の人の顔面偏差値高いのは気のせいかな?昨日から見かける騎士たちは騎士団長を覗いて美男美女だらけだ。騎士のなかにハニートラップ専門部隊があるっていうのが可能性としては高い気がする。それなら作戦は成功してる。実際にいま入ってきたカーンという騎士に対して数名の女子がすでに目を奪われているのだから

そんなことを思っているとカーンさんが話し始めた


「ただいま向かっている教会の名称は鑑定神の教会と呼ばれております。そこでは昨日騎士団長がお伝えしました通り皆さまには神様から職業をいただいてもらい、そのあとに正確なステータスを鑑定させていただきます。今回の鑑定結果をもとに今後の訓練を決めさせていただきます。質問はございませんか?」


昨日言っていたことの再確認って感じだな。おそらくほかの馬車でも同じようなことを言っているはず。そして大体の馬車では質問せずに終わるだろう。日本人は聞きたいことよりも他人に迷惑をかけないようにする人がほとんどだから。だけどここで聞かなければならないことが一つだけある


「職業は神様がつけるんですよね?自分たちの意思とかって反映されないんですか?」


そう職業の選択についてだ。僕は何としてでも魔法を使いたいからここで魔法使い系統以外になってしまうのは避けるしかない。鍛冶師とか漁師などの非戦闘系になってしまったらそれこそ終わりだ


「ある程度周りの環境や自分の意思が反映されることはありますが、勇者などの特別な職業の可能性を潜在的に持っている方はその職業以外選べません」


まぁそんな感じだろうとは思っていた。勇者なんてそれこそ一握りの才能を持っている人に与えられるのも道理だろう。おいっそこのクラスメイト。変な目で僕を見るんじゃない。まさか勇者になりたかったとかそういうことじゃないから


「これ以上の質問はないようですので失礼させていただきます」


「あっ今の質問とその答えをほかの馬車に共有してください」


「了解しました」


これで他のクラスメイトも自分のなりたい職業につけるだろう。自分がやりたくないものになること以上にいやなことはないからね

そんなこんなで馬車に揺られていると教会が見えてきた。見えてきたんだけどなんか


「でかすぎない?」




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