僕の世界は何も始まらない
Tonny Mandalvic
始まらないものがたり
皆さんこんにちは。
またお忙しい中このページを開いてくれてありがとうございます。
この世界の人です。といってもこの世界の人は物語ではないので、便宜上自分の名前を矢野鶴理でもしておきましょうか。
あなたが読んでくれたことで、この物語が始まるというか伝わります。
私一人だけでは物語は進めることができますが、私だけの世界が広がっているだけで、世界が広がっていかないと思います。
物語の始まりに必要なのは登場人物(ものでも構わない)と思いますが、読んでくれるあなたがいないと物語は進みません。
まずはそのことに感謝をしたいと思います。
ここから本編に進みたいと思います。
といっても、この世界に産み出されたのは僕だけで、この世界には何一つない。
なにひとつない空間と聞いて何を想像するだろうか。私は、平らな平面が広がっているのだと思ったが、「平らな平面」というものが存在する世界なので、この物語には「私」と「平らな平面」というものが存在する世界となる。
まあいいや。この世界を進めるためには、今の時点では他に誰も存在しない。「話す人」も「他の動物・植物」も存在しないのだ。今といったのは、物語を進めるためにこれから色々なものが追加されていくからだ。(それ以前に何もない物語ってただで読める物語だから暴動起きないけど、有料だったら暴動起きる)
言い方を変えると、物語を進める上では「私」もしくはそれに準ずる何かが存在すれば物語は始められる。(あと始めにかいたように「受け手」がいないと何もない世界が続いてしまう。それが物語のスタートとも言える。)
ここから先、ある意味では無限の物語を始めることができる。
どうでもよい私の日常を進める物語、俺TUEEEEを始める冒険段やラブコメディ、他にも色々なものがある。ああ、事故に遭って転生するのも言いな。
最近はヒロインにパワハラされてそれから救済されるラブコメディものが人気らしいな。そんな都合のいい話があるものか。知らんけど。
ともかく私の物語はどこに進もうか。ドのような仲間や敵が必要だろうか。考えてみても思い浮かばない。
逆にどうでもいいような日常ものを進めていくのはどうだろうか。
いやこれなら話は進んでいくけれども画面の向こうにいるあなたはつまらないと思う。というか文字数稼ぎにしかならないしね。
ともかくどんなものが私の世界に必要だろうか。逆に何も要らないとも言えるのだが、それではこの物語はつまらなくなってしまう。
結局自分というか作者がやりたい世界を作るために物語の要素を組み立てていく。
で、今キーボードを打ち込んでいるお前はどこの世界に私を送りたいんだ。
失敗した学園ラブコメか、冒険ものか、どうでもいい旅行日記か?
でいくら考えても先に進められないのでこの物語は終わる。
私は何もできずにここで終わるのだ。
むなしい。
僕の世界は何も始まらない Tonny Mandalvic @Tonny-August3
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