第33話 ティティル
「えっと、つまりこの世界は私のいた世界と違う世界で、魔法もないし、なんなら人間以外の種族も魔物もいないってこと?」
「理解が速くて助かる」
3回目とあってか、俺は目の前のエルフに状況の説明をすることができた
正直魔王感半端ないディシアやがっつりとしか体格のガガルに比べれば話しやすい
「そして改めて、俺は黒森龍錬、こっちの男は土御門正弥、あっちの女性が土御門鏡花」
「よろしくお願いいたします!あ~エルフ~~~」
「よろしくね」
「そしてこっちの二人が君と同じ別の世界から来た住人で、魔王のディシアと聖騎士長のガガル」
「うむ、わらわが魔王ディシアじゃ!」
「元の世界では聖騎士長をしていたガガルと申す」
こちらの紹介を終え
「さて、今度はエルフさんのお話を聞いてもいいかな?」
目の前のエルフに話を振る
「わっわかった、私の名前はティティル、エルフの国で王をやってたよ」
「王!?」
「ほう、そなたも王か」
まさかエルフの国の王とは驚いた、ディシアも同じ王であるからか反応してる
「まあ、王とはいっても弓の腕が一番の人が王になるって風習があって、それで王になったの」
「ほう?つまり王族といった特定の血筋が国を治めるわけではないのか?」
「ん~~?特にそんな感じではないよ?私だってただ弓の腕があるだけの普通のエルフだし、あとエルフは基本平等だから力がある人がトップって感じだから誰でも王になれるチャンスはあるから平等なのかな」
「なるほどの~~、魔王国と似たようなものか」
「お前の魔王国ほど殺伐でなはいだろ」
「じゃな、かかかw、ちなみにエルフというのは長寿じゃと聞くが」
「え?私まだ1033歳だよ」
「「「「ええっ!?」」」」
「なんじゃまだ千ちょっとかの、わらわは2501歳じゃ」
「「「「はあっ!?」」」」
まあ正直エルフだから長寿だとは思ってたけど、ディシアのほうが倍多かったとは、
「あれ?もしかしてあなたもエルフ?いやでも違う気が」
「わらわは魔族じゃ」
「まぞく?」
「なんじゃ、その世界に魔族はおらんのか?」
「うん、私の世界にはエルフとドワーフと人間しかいなかったよ」
「うむ、ドワーフはおるのか」
ディシアと談笑してる中、こちらでも話をする
「ちなみにガガルさんの世界にはいました?エルフ」
「いや、自分の世界には人間以外はいなかったはずだが」
「もしかして二人とは別の世界から?」
「おそらく」
まあそうだろうとは思ったけど、あの魔法陣は別々の世界から人を連れてきている、作為的なのか自然現象レベルの何かなのかはわからないが、まあ気持ちを切り替えて3人目のタレント候補が来たと考えるか
「まあいろいろ気になることはあるけど、まず一番大事なのはティティルさんはこの世界で過ごしていかないといけない、これは理解できる?」
「え……あっ…うん……そうだよね………帰れないんだよね」
「っ」
しまったな、ディシアとガガルが余裕そうだったけど普通に考えれば元の世界に帰れないのはホームシックどころの話ではない
「辛いかもしれないが「ついに森から出られたーー!!!」………え」
「ん、あ~ごめんなさい、実は前からエルフの森から出ていろんなところを見て回りたかったの、王になると自由に出入りできなくなってたからさ」
「そ、それならよかった」
メンタル強いな!?、まあ千歳越えだからその分メンタルも強いのか?それともエルフ特有?
「それでだ、この世界で生活するには働かないといけない」
「そりゃそうだよね、エルフの国でもそれは変わらないよ」
「ならよかった、ということでだが、俺たちのマーシャルコードで働かないか?」
「え?いいの?」
「もちろん」
「わかった、じゃあこれからよろしく」
といった感じでティティルもマーシャルコードのメンバーになった
3回目であり、なおかつ次に誰か来ても対応できるように準備してたのでスムーズに進んでいった
その後の話だが、
ディシアのおかげで住民票やらなんやらは解決済み
この世界の常識に関しては鏡花さんとディシアが教えるとのこと、同じ女性だしね
雇用契約や生活に必要なものなどいろいろは後々に
それにしてもティティルが男女分け隔てなく話ができる人でよかった
後で正弥からPCとかの説明を受けるだろうが問題なさそうだ、まあ正弥のほうが緊張するかもしれないが
ただ、一つだけ今までになかった問題がある
「はぁ~、今の時代、すでに自称エルフ系のVtuberがいるし多すぎなんだよな」
エルフVtuber多すぎ問題である
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