第19話 聖騎士長ガガル
「ずすずるっ、うむ、うまいな!!」
「お口に合ってよかったわ」
あれから何があったのか説明しよう
とりあえずぶっ倒れた騎士さんをソファに寝かせ、俺たちはいったん焼きそばを食べた
腹が減っていたようだし、ちょうど多く作っていたから余った分を騎士さんにあげようということになった
少し経つと起きたあと、腹を空かせていたようなので焼きそばを渡した
食べ物なのかわからないって感じだったが、フォークを使って食べるとそこから今に至る
ちなみに兜を外した時、鏡花さんの好みのタイプのイケメンだった
イケオジというらしい
少し経ち、食事を終えた騎士さん
「見知らぬ私に食事を分けてくださって、感謝する」
「いえいえ、お腹をすかせていたようですし」
「ありがたい、3日間殿を務めていたから水以外腹に入って無かったから助かった」
「それはよかったです」
話した感じきりっとしたいい人って感じだ
格好からしてどこかの国の騎士、それも偉い立場の騎士って感じだ
言っちゃなんだがディシアほど警戒する必要はなさそうだ
「えっと、食事も終わったようですし、騎士さん?のことを聞いてもいいですか?」
「ん?あ~~すまない、まだ名も言ってなかったな、俺はガガル、イースタル王国の聖騎士長を務めていた」
「聖騎士長!?」
「なんかかっこいいっすね!」
「そ、そうか?」
正弥は素直に自分の感想を述べ、その反応がよくわかってないガガルは困った表情をしていた
「イースタル王国?」
すると反応したのはディシア
「ガガルとやら、おぬしは人間国と魔王国という国に聞き覚えはないかの?」
「人間国?魔王国?いや、聞いたことはない」
「なんと………」
ディシアが意味ありげに呟いた
「ガガル殿、先に説明しておくとこの世界はガガル殿のいた世界とは別の世界じゃ」
「なっ、なんだと!?」
驚きのあまりすぐに立ち上がり、そのまま固まってしまう
「そして龍錬、ガガル殿はわらわとは別の、第3の世界から来たようじゃ」
「え?」
そうだった、ガガルさんのほうに意識を向けてたけどディシアと同じ世界の住人の可能性もあったのか
さらに言えば敵対関係だった可能性もあるのか、すこし気が緩んでたな
「ガガルさん、俺は黒森龍錬、このマーシャルコードという事務所の社長をしています」
「あっちの男が正弥、あちらの女性は鏡花さん」
「よろしくお願いします」
「よろしくです!」
「う、うむ、よろしく頼む」
「そしてこちらは魔王ディシア、ガガルさんと同じように異世界からこの世界に来た存在です」
「ん?異世界!?」
そこからこの世界が別の世界であること
この世界について
強制的に言語がわかることなどを話した
「う、なるほど、正直まだ理解が追い付いてないが、少なくとも自分のいた世界の別の世界だとは分かった」
「ではガガルさんについてお話を聞いてもいいですか?」
「承知した」
「まず俺はイースタル王国というところで聖騎士長を任命されていた」
「聖騎士長ですか、聖騎士というのは騎士とは違うのですか?」
「う~む、そこまで違いはない、王族所属かそれ以外かの違いだ」
「なるほど」
聖っていえば教会や宗教関係かと思ったがそうではないらしい、翻訳のせいか?
「聖騎士長ってことは相当強いってことですよね!」
「あ、あぁもちろん、ほかの部下たちに後れを取ることはないな」
「すっごいですね!」
「ははっ、そうか?」
正弥はファンタジーでは騎士とかかっこいい系が好きだからな、聖騎士長とかドンピシャだ
その純粋な尊敬の念はガガルも嬉しそうだ
「確かこの世界では騎士はほどんど架空のイメージらしいな?」
「えぇ、ほかの国はともかくこの国日本では架空の物語でしか見ませんね」
「ふむ、スキルもないのか?」
「スキル!?」
俺より先に正弥が反応した
「あっ、あぁスキルだが、やはりこれも架空のものなのか?」
「そうです!ってことはガガルさんは使えるんですかスキル!?」
「まあ俺たちの世界では努力すればその努力に応じてスキルを使うことができるからな」
「へ~~~、そのタイプなんですね!」
「タイプ?」
「えっと、例えば生まれた瞬間から一つだけもらえて、それ以上は増えなかったり、ある程度の年齢になると神様?からもらったりとか」
「ほう、そういうのはこっちの世界ではなかったな」
「そうなんですね!」
正弥がグイグイ行くな~~、といっても本来ならディシアにもああなる可能性があったんだよな、ナイトにビビっててグイグイいけなかっただけで
「ごほん、まあ細かい話は後程で、問題はガガルさんがこの世界でどうするかについてです」
「っ!」
こちらが話すと少しきりっとした表情になった
「ガガルさんは異世界に、自分の世界に帰還する手段はありますか?」
「いや、そのようなスキルはない、元の世界でも聞いたことがない」
「となると、この世界で生活しなければなりません、そして働かないといけない」
「うむ、そうなるな」
「ということでガガルさん」
「うむ?」
「Vtuberになりませんか?」
「ぶいつーばー?」
「そうなると思った」
「じゃろうな、そういえば鏡花はどうした?」
「こうなることを予測して今ガガルさんのVモデルの原案書いてます」
「え、なんでそんな早く」
「ガガルさんが姉さんの好みのイケメンだったので」
「あ~~」
鏡花の部屋では
「イケオジきたーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
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