第5話

クラスメイト視点


 夢で彼と出会っているゆずが羨ましい。


 私はよくゆずから、義兄の話を聞く。その大半が悪口だが、たまに義兄の自慢をすることがある。


 だから、私も知ってた。彼はボッチで虐められていたけど、内心は家族思いで良い奴だと言うことを。


 

 ある日、私は義兄に守られたことがあった。


 突如私に向かって来た硬式野球ボールから私を守ってくれた。彼は何も言わずに去ったけど、


 その前の日、私は彼を踏みつけた。みんなが彼をボコすついでに私も同じことをやったのだ。


 

 彼は次の日、包帯を巻いてやって来た。


 義妹はそのことを愚痴っていた。


 その愚痴は義兄に完全に聞こえる声だった。

 「本当に情けない。蹴られたくらいで、骨折なんて」


違う、本当は私を守るために、


 でも声が出なかった。



 別な日、私は掃除中、体育館に閉じ込められてしまった。


 段々と暗くなる。


 そして、夜になって明かりが消えていく。私は暗いのが苦手だった。


 明日まで我慢すれば良い。怖いけど、


 足を張るわせて、手をぶるぶるさせている。


 

 もう今日はとっくに部活は終わってる。誰も助けには来ないだろう。


 そう思って居た。


 だけど彼は、やって来た。梯子を持って


 ______


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る