一週間後

 マジック研究会――略してマジ研の騒動から一週間が経った。

 僕はここのところサークル見学を自粛していた。猿島さんに自粛するようにそれとなくお願いされたのもあるし、マジ研がサークル荒らしによって活動停止に追い込まれたと噂が広がったのもある。

 しばらく元気のない音無さんと一緒に行動するようになった。時間の合うときに、一緒に学食を食べている。


「そんな可愛い彼女をいつどこで」


 上尾にはどんな関係か詰め寄られて、洗いざらい話すことになったけれど、ただの友達。高校からお互いになんだか危なっかしくてしょうがない、ただの友達。

 授業が終わって、校門を出ると音無さんが待っていた。


「お待たせ」

「待った」

「そこは待ってないって言うところだよ」

「正直に生きているのが売りだから」


 音無さんと並んでバス停にゆく。

 今日の音無さんはピンクのゴシックロリータだ。ポニーテールの髪をピンクのリボンで留めている。

 バス停で駅前行きのバスを待つ。


「僕だけでもよかったのに」

「いいの。私も当事者だから」


 これから猿島さんに会いにゆく。

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