第4話 疲れる日曜日
日曜日。暖かい日差しで目を覚ます。
「んぁ……」
俺は身体の状態を確認した。精神世界で戦ってボコボコにやられたが、現実の身体には傷一つついていない。身体も痛くない。
安心した俺は二度寝をしようと再び布団を被った。今日は1日中寝ていたい。そんな欲望に従って俺は目を閉じたが、頭の中から聞こえる声がそれを許さなかった。
“なに寝ようとしてるんですか。朝ですよ”
“うるせ。今日は寝て過ごすって決めたんだ”
“今日は
“はぁ……まぁ良いだろう。てもこれでしょうもない要件だったらお前のこと1回殴らせろ”
何も聞かずに断るのは流石に可哀想なので、俺は有紗の要件を一旦聞いてみることにしてみた。それに有紗がわざわざ俺に頼んでくるようなものだ。大事なんだろう。
“いいですよ。それで要件は――”
俺はその言葉を聞いて驚愕した。
“それ、本当に俺だけでやんのか?
“勿論です。それにお二人は別の用をこなしてもらう予定です”
俺は天を仰ぎ一言。
「父さん母さん。今まで育ててくれてありがとう」
*
「赤点!」
「「怖い!」」
「補修!」
「「ダルい!」」
「平均超えたら!」
「「万々歳!」」
俺は稜斗、黒波と一緒にランニングをしていた。あの後、有紗から体力をつけるように言われたのだ。そこで2人に声をかけて一緒にランニングをすることになった。因みに、この掛け声は黒波がランニングをする時に使っているものだ。正直共感しかない。
「(生徒)指導!」
「「怖い!」」
「落単!」
「「ダルい!」」
「『保護者呼ぶぞ』は!」
「「死を覚悟!」」
「A判!」
「「ほしい!」」
「(共通テスト)7割!」
「「取りたい!」」
「お前ら頑張れ!」
「「頑張ります!」」
こんな調子で俺たちのランニングは続いた。日頃の運動不足が祟ったのか、終わる頃には俺と稜斗はフラフラしていた。そんな俺たちを見た黒波が一言。
「お前ら……ちゃんと運動しろ?」
明日は筋肉痛で動けないだろうなぁ。と、覚悟して家に帰った。
*
夕飯を食べ終え、部屋でゴロゴロしていると頭の中に声が響き渡った。
“さぁ。筋トレしましょう”
“お前マジで言ってる?”
“はいスクワット!”
“もう動けんよ!?”
今日は沢山動いたのに、これから筋トレは流石にできない。だがこいつは俺に運動させようとする。鬼畜だろうか。いや、鬼畜なのだろう。そうに違いない。
“筋トレしないと……またボコボコにしますよ?”
“頑張ります”
俺は仕方なく筋トレをするのだった。
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