第9話

過去編


 アイツが変なことを言ってから数日


 「はぁ??住み込みで働いて来いって??どう言う??」


「いいから働いて来いって言ってんだよ!!」





 


 でその住み込みの働き先は


 「許可貰えたね」


「どうやって説得したの!?」


「まぁ色々ね」


「色々って」

 後に分かったのだが、金の力みたい。


 「あと、放棄したよ。」


「何が、」


「君の父が親の権利を」


「??」


「君は叔父さんと祖母さんの義娘になるってことかな」


「はぁーー??」



ーーーー

 嘘じゃなく本当だった。


 元父から電話が来て直接言われた。


「そんなバカな」


「とりあえず、これからよろしくね」



 そして、私は本当に住み込みでずっとこの人と一緒に居ることになった。


 

 相変わらずメイドの仕事はほぼやることがなく、ただ基本的にゆっくりするだけだった。


 「わたし、こんな楽でいいのかな」


「一応、本社の人達は給料倍貰ってもう少し忙しいよ」


「もう少し??」


「まぁ、とりあえず今日は住み込み初日がお祝いしようか」


「お祝いかぁ」


小学校以来かも知れない。お祝いして貰えるの。


 

 これからはこんな幸せな時間がいつまでも続くのかなと信じていた。


ーーーー

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