第15話

それから沢山、愚痴話をした。

 「へぇ、本当に勇者くんも大変だったんだね。」


「うん、そもそもこんな勇者って名前のせいで生まれる前から地獄が決定してたようなもんだよ。」


 「・・・確かに、正直勇者は私も可愛いとは思うけど」


「名前の通り、勇きを持って家族を悪を討伐した。勇者だったよ俺は」


「・・・ふふっ本当だね」


「可宮さんの下の名前って、まりだったよね」


「そうだよ。」


「良いね、可愛い名前だよね」


「普通ならナンパ見たいな言い方なのに、今の話を聞いた後だと大きく意味が変わって聞こえるね」


「本気でそう思ってるよ」


「ありがとう」


「俺も愚痴聞いてくれてスッキリしたよありがとう」


「それは私もだよ。今日本当はなんならあのまま餓死しようかなって思ってたけど、凄く良い一日になったよ」


「サラッとめっちゃ重いことを言ったね。」


「えへへ」

 可宮さんは笑ったをする。そんな顔を見て


 「きっと可宮さんはずっとそうやって辛い時に必死に笑って来たんじゃんない?」


「・・・そうだね。笑顔に笑える事ができないなら、自分で無理矢理笑顔になるしかないからね」


「・・・強いな。」


「勇者くんも、家族を倒してきたんでしょ」


「確かに俺も強いな」


「そうだよ!!私達は強い!!」


「家族の逆境にも負けない俺たちは最強だ!!」


そんなふうに夜は盛り上がった。

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