第13話

可宮過去編 大雑把


私の父親は妄想癖が強くて頭のおかしい父親だった。全く働かないで家で私に文句をばっかり、そして


 口癖が

 「浮気してるだろ」


で、母親にいつもそう言っていた。母親はその度にしてないと叫びをあげる。


 そんな喧嘩を毎日のように見てきた。その度に私はうるさい声に起こされて、深夜まで起きる羽目になる。


 私もつらくなり、お母さんに離婚するように頼んだ・・・


 「いいよ」


母親はそう言った。けどそれはだいぶの前のこと、母親はそう言いながら離婚届けを一向に出す気はなく、結局そのままだった。私は気付いてしまった。母親は離婚する気はない。


ーーーーーーーー


 「そして、今日ね母に言われたの」


「何を?」


「そんな簡単に大切な家族手放せる訳ないでしょって」


「・・・」


「私からするとさぁ、私だって家族なのにって思って。大切な人家族を手放さいために、娘を大切な家族を傷つけるって。どこが私が大切なんだか?」


「・・・」


「君は、家族は大切にするべきとか言うタイプ?」


「全く、むしろそんなこと言う奴こと、自分の家族のありがたみを分からないで、そんなこと言う奴こそ家族を大切にしてないんじゃないかって思う」


「めっちゃわかるよ!!それ!!」


 「だよな!!だよな!今の話を聞いたら、まだまだ辛かったこと沢山あったんじゃない?」


「あるよ、めちゃくちゃあるよ!!」


「だよね。俺家族大切にする当たり前否定派だから、今度話聞かせてよ。もっと沢山」


「いいね。私も話したい」


 こうして、可宮さんと仲良くなれた気がする。

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