第3話 不完全な子ども

前エピソードではイザナギイザナミ夫妻の夫婦喧嘩などを記したが、次は初子の蛭子神について触れてみる。

妻が先に声をかけてしまったため不完全な姿で生を受け、その事実を受け入れることができず要は両親に見捨てられてしまったのだ。

字を見てお気付きだろうか?

蛭子神とは、えびすさま。

商売繁盛、鯛を持ってビールのラベルでも満面から笑みを浮かべているあのえびす神です。

幸せいっぱいのあのお顔からは、そんな不遇を背負っていたとは考えにくいですよね。

蛭子神は海に流されてしまったので、釣り道具を持っていたり、海と関係が深いようです。


私はこの話を聞いて感じたのは、神様だって不完全なかたちで産まれてきているのだから、人間もそうなることが多々ありうるのではないか、ということです。

辛いことですが、世の中障害や病気を持ってこの世に生を受ける子どもはたくさんいます。

中にはイザナギイザナミ夫妻のように、その現実が受け入れられず育児放棄されるご家庭もあります。


以前私は児童デイで働いており、いろんなご家庭を見てきました。

中には離婚されたり、重度の障害児を抱え悲嘆に暮れ日々を過ごしていたり、母親が病気の子を残し失踪し祖父母さんが子育てされているご家庭もありました。


どうしてうちの子だけ…。


中には健常に産んであげれなかったことに負い目や責任を感じているお母さんもいました。

育児疲れで心を病み、虐待まがいのことをしてしまう親御さんもいました。


普通ではない、完全ではない子どもは不幸なのでしょうか?

神代の時代から、疎まれてしまうのでしょうか?


悲しいニュースも現実なくならない中、私の脳裏にはえびす様が浮かびます。


商売繁盛大繁盛

昨日は全国の恵比須神社で十日戎が行われています。

あんなにも笑顔で、参拝者を出迎えてくれるえびす様。ご自身が幸せでなかったら、人々を幸せにすることなんてできません。


福の神えびす様。

あのふくよかで幸せいっぱいのお姿を見ていたら、

そんな悲しい生い立ちがあるとは思えません。


どんな境遇で産まれてきても、誰もが幸せになれる。

人を幸せにできる存在である。

古事記、日本書紀の日本神話と、えびす様は私達人間にそう教えてくださっているように私は思うのです。


神々はいつだって、人の世で我々を見守ってくれているのだから。


はじまりの島、淡路島。

伊弉諾神宮で神社由来や伝承を知り、私の新しいライフワークがスタートしました。


日本の神様、もっと知りたい!!


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