第7話 小5 妹の気持ち
いつかの私視点
あれから、お兄ちゃんと私は仲良く出来てない。でも毎日お金も用意してくれて、親の虐待からも庇ってくれた。いつのまにかそれが当たり前だと感じるようになった私は・・・
「なぁお前も一緒に虐めない」
「・・・いいね」
お兄ちゃんに対する感謝をすることを忘れてしまっている。
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いつかの俺視点
誕生日プレゼントを冬ちゃんに貰ったから、最近会えてなかった・・・寂しい。妹は最近機嫌が特に悪いし・・・でも、いつかはまた冬ちゃんに会えるかもだし、妹とも仲良くなれるかも知れない。
「うん、頑張ろう!!」
守るって約束したし!!
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学校では妹も虐めに本格的に参加するようになって来て、ドッチボールで狙って来たり、悪口、物を隠したりなどをことをされてしまった。
でもいつかは、辞めてくれてまた仲直り出来ると・・・そう信じてた。
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よくお金が落ちてるスーパーでニュースを見た。
それは春ちゃんが親によって殺害されたニュースだった。
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いつかの私
お兄ちゃんは私に話しかけてすら来なくなった。表面上はうざがって居たけど、本心は寂しかった。最近いつもよりお金が少なかった。
お兄ちゃんに久しぶりに話しかける。
「ねぇ、いつもより少ないんだけど」
「・・・ごめん。ちょっと体調悪くて」
兄は珍しく沈んだ顔をしている。熱でもあるのだろうか・・・
でも、兄なら自分でなんとか出来るし、それに・・・
「はぁ??アンタなんて学校で虐められてるんだから、これくらいしか出来ることないんだからもっと頑張りさないよ」
「うん、ごめんね」
やる気のはきの無い謝罪を
「はぁ、本当に死ぬばいいのに」
その言葉は本心ではなかった。ただの照れ隠しだった。
だが流石に言いすぎたと思った。そして、お兄ちゃんの顔を見ると、絶望をしたような、涙を必死に堪えた顔で
こんなに弱った兄の顔を見たことがない。
その時のお兄ちゃんの顔を忘れられなくて、やってしまったと思った同時に大好きな人が見たことがない顔を見れてゾクゾクした。だから私は
「死ねよ。役立たずのゴミ」
「・・・」
お兄ちゃんは苦しそうに耳を隠しながら頭を隠くす。
「何も出来ないじゃん。臭いしさぁ、こんなのじゃんお兄ちゃん失格だよね」
「・・・」
吐きそうな顔をして居た。満足した。
私はこの時に勝った気持ちになって居た。憧れての存在を追い詰めたことに心底から高まりを感じてしまって居た。
何も勝ってないのに、お兄ちゃんはもっと別なことで苦しんでいたのに・・・何も知らない癖にアホでゴミでよっぽど死ぬべきなのは私だった。
______
家で皿を落としてしまった。
母はすぐに私を叩こうとした。
「やめろ!!」
「何??アンタその態度は」
初めてだった。兄はずっと私を庇っては居たけど逆らおうとするのは
「皿を割ったくらいで!!俺が掃除するから妹はたたくなぁー!!」
普段なら怒らせないように私を守ることを優先していた。だけど今回は違う。まるで母に怒りと殺意を向けているようだった。
「アンタ、そんな口を聞いて!!誰が育てあげてると思うの!」
お兄ちゃんは叩かれる。これはいつも通りだったが、
「叩かれた・・・叩かれた・・・痛みを・・・苦しみを・・・知らないくせに!」
お兄ちゃんは怒って居た。焦っているのかも知れないと思った。最近は私の態度も冷たかったし・・・これからはもっと兄に優しくしないと私も危ない目に遭うかも知れない。
そして、兄は身長差があったが、机に乗って母親を叩いた。そして、倒れた母を叩きまくった。
怖かった、暴走しているお兄ちゃん。殺意と怒りがずっと溜まっている悲しさを吐き出している兄の姿が・・・
そして父が来てお兄ちゃんは逆らいながらもボコボコにされた。
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昨日のはまるで別人の兄の姿に大変混乱していた。そして学校では落ち着いており、私にも最近のやる気ない対応で戸惑いがあった。
でも、私には向けないそんな自信と信頼があった・・・自分は散々酷いことばかりしているのに
お兄ちゃんはあの時の女の子と会っていないことに気がついた。
私はそれを当然のように煽ってしまった。
「そういえばさぁ」
「何?」
「最近、あの子見ないね」
「・・・!あの子って誰のこと」
お兄ちゃんは明らかに反応を見せる。珍しいくらいに・・・
私の中で嫉妬心は強くなり同時に虐めたい気持ちも強くなる。
「惚けるんだ、そんなに会えないのが寂しいの?」
声では煽る高い声をしているが内心怒りがあった。
「前に公園であってた子」
「・・・知ってたの?」
「うん、前は一緒にいる所見たからね」
お兄ちゃんと呼ばされてたし、プレゼントも貰ってたし・・・
「・・・そうだったんだ」
お兄ちゃんは少し嬉しそうな顔をする。
そんな意味のわからないことで嬉しそうにする。あの女のことで笑顔を見せる兄にムカついた。
「でも会えないね、もしかして嫌われたのかな?」
「・・・そうなのかも」
寂しそうな顔をする。だけど私はさらにムカつく。
「あはは、まじウケる、あんなに楽しそうにしてたのに嫌われて、会えなくなるなんて」
全力で笑った振りをした。もう会えないとはいえ、私を裏切った事実は変わらないし、イライラが止まらない。
そこで、私は思いついてしまった。
兄の誕生日に、あのプレゼントのカードを破こう。
そしたら、少しは兄の目が覚めて、こんなことで寂しがることはないだろうと思った。
本当に目を覚ますべきなのは私の方だった。この時にもし辞めて居たら、お兄ちゃんと離れることも、あんなにお兄ちゃんを苦しめることも無かった。
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