第3話 小1 100円だって大金

いつかの俺視点


 俺と妹は入学式に参加して居ない。服装代をケチる為と面倒ごとは避けるダメだ。相変わらずのクズ親である。


 「お兄ちゃん、怖いよ」


 「大丈夫、お兄ちゃんが居るよ」


妹は基本的に他人と話すが苦手だった。俺への依存もあるだろうが、元から読書やパズル等の好きな一人遊びが好きだった上に、人と関わることを避ける親の教育も大きいのだろう。


_____

 一ヶ月経っても俺達には友達が出来なかった。


入学式の不参加の影響と俺達のコミュニケーションの低さ、そして保育園や幼稚園からの仲だったり、俺の親が悪いことで有名で子ども同士も関わらせないようにしたいのだろう。


 友達同士で楽しそうに話しているのが羨ましく少し感じたが、それ以上に妹と俺が小学生でも一緒に居られるから嬉しかった。


 そして、最近は話してなくても俺達から離れる。理由は臭いからだ。風呂に入ってなく、服も洗濯してないからだ。でも、当時それが普通だと思って居たし、くさいのことが原因だと当然分からなかった。分かったしとても解決方法が分からないだろう。

  

 そうやって周りに避けられるうちにどんどんと周りのグループは出来ていた。

 

________


 「くさい」


 ストレートに言われるようになった。


 「お兄ちゃん、私の臭いのかな」


「大丈夫、臭くないよ。俺は好きだよ。」


 正直匂いを感じなかった記憶がある。慣れてしまって居たのだろう。

とりあえず、俺は臭くてもいい。けど妹のことはどうにかしたい・・・



______

あれから、解決方法は見つからず、まだ臭いと言われて避けられる。


 「お兄ちゃん、私友達出来ないのかな?」

 妹は前より気になっている。どうにかしてあげたいけど・・・何も思いつかない。


「いつか出来るよ!!もし出来なくても俺はずっと一緒だから」


 「うん」

せめて、出来るのは妹を笑顔にすることだ。


 _______

 とりあえずシャワー代わりにどっかに使える水道がないかを考えたが。流石に公園や学校は服も脱げないし出来ない。そこでバケツを見つけた。先生頼んで要らなくなったバケツを貰った。そして誰も居ない場所を探してバケツで水をくんでそこで妹の体を拭いた。これで、汚れは落ちたけど、髪がまだダメだった。

 俺はクラスメイトに必死に頼み、どうやって体を道具を手に入れるか聞いた。そして、親に聞いて貰って薬が売ってる店で買えるが分かった。

 でもいざって行ってみると、お金が必要なことに気付いた。しかも見たことない数。30からより大きい数は数えられないから幾つお金が必要なのかも想像すら出来なかった。

  

そして、

「どうぞ!新商品のお試しです!!」


「ねぇ、お姉さん」


「うわぁ、どうしたの??君?」


「もしかして、それ髪洗う奴?」


「そうだけど、どうしたの?」


「それ俺も貰っていい??」


「いいけど、絶対食べないでよ」


「食べないよ!!これがあると妹が喜ぶから」


「そうなんだ。優しいのね。お兄ちゃん」


「うん!!」


そして、早速妹に使った。妹は初めてシャンプーで凄く喜んでいた。


________

 「ありがとう、お兄ちゃん。私・・・最近臭いって言われなくなった」

一瞬、涙を我慢した表情をして居た。それくらい嬉しくて辛かったんだと思った。


「良かったね!!」


「うん!!お兄ちゃんのお陰だよ。」


「じゃあ、あとは友達と仲良くなるだけだね」


「うん!!友達出来るように頑張るよ!!」


 そして、妹に友達が出来た。夏ちゃんって友達みたいでよく話題に出してくる。学校でも夏ちゃんと遊んでいることがあり俺と話せなくて少し寂しいけど、楽しそうな妹を見るとこれで良いと思った。


______

 親は相変わらず喧嘩ばかりだ。学校では春は友達と居るけど、家では俺と一緒だし、満足だ。


 「・・・お兄ちゃん、また」


「大丈夫だよ」

今日もなんとか春に当たらずに守れた。


「・・・ごめんね」

 前みたいに泣かなくなった。でも俺達は抱きしめあって一緒に寝る。

____


 春は友達と遊ぶ時にお金を使うみたいだ。お菓子の交換をするらしい。でも俺達はお金なんて貰えないので、妹だけ交換出来ないで見てるだけと言うか悲しい状況になって居たようだ。


 そんな状況を打破する為に俺は必死にお金を探して居た。何日も、


_____

 お金を探しながら、お姉ちゃんに頼んでいつも通り無料のシャンプーを貰って居た。


「お姉ちゃん、今日も貰っていい??」


「良いわよ・・・はいあとこれあげるね」


 「これって、まさか売ってるやつ??」


「シー、特別だからね。いつも来てくれるし」


「ありがとうお姉ちゃん!!」


 これは保育園の行事以外で貰う初めてのプレゼントだった。


 「そうだ、お姉ちゃん教えて欲しいんだけど」


 「何??」


「お金欲しいんだ。どっかに落ちてる所ないかな?」


「・・・」

 お姉さんは悩む。


「流石にこれをあげてた、私の生活もあるしなぁ・・・」


 「どっかに落ちてない?」


「・・・もしかして、それも妹ちゃんの為??」


「うん!お姉ちゃんのお陰で臭くないって言われるようになって友達出来たから、お菓子の交換会するんだって!!!」


「・・・えらいね!本当に」

   

 そして、お姉ちゃんに大きなお金(100円)と落ちてる場所を教えてくれた。


_____


 「お兄ちゃん、これは?もしかして?」


「そう、お金もらったんだ」


「本当に!!すごいね!!」


「これ使って一緒にお菓子買おうよ!!」


「いいの??でも・・・それお兄ちゃんが貰ったんじゃ」


「いいよ。一緒に仲良く使ってて言われたし、俺もそうしたいし」


「・・・お兄ちゃん!!」

 初めてのお金を一緒にお菓子を買って

 「これは交換用で、こっちは二人で分けようか」

「いいの??お兄ちゃんの分が一つ少ないよ」

「良いよ!!それより一緒に食べた方が美味しいから」

「・・・うん!!」

 妹の交換会は成功した。


「もっとお金を集めないと」

 お姉ちゃんに教えてもらった通り、自動販売機や、お店の近くとそしてゲームセンターでお金を探した。お菓子も見つけたけど定員さんに怒られた。


_______


「お兄ちゃん、このお金。お兄ちゃんが見つけてくれたお金だよね。私が使うなんて」


「いいよ!いいよ!!俺、春が幸せな方が良いから!!」


「・・・お兄ちゃん・・・ありがとう」


学校の放課後は妹は友達と俺はお金を探すことが当たり前になって居た。


妹と話せる時間がまた減ってしまったことは悲しいけど生きる為だし、妹が喜んでくれるならと思って必死に探した。

________

 もうすぐで俺たちは2年生になる。


 「ねぇ、お兄ちゃん」


「何?」


「私達、離れ離れになっちゃうの?」


「・・・」


 この時の俺たちは離婚を知らなかったが、ただそう感じるほど、父と母の仲は悪かった。


 「大丈夫だよ。俺達は一緒だよ」


「良かった!!そうだよね!!私、お兄ちゃんと離れたくないから!!」


「うん、勿論俺も」


俺は春が居なかった今頃死んでたかも知らない、お互いに必死だと思って支えあって来たから生きていけた。


 「もうすぐ、2年生だね。クラス替え心配だよ」


「大丈夫!!」


俺が必死に先生に同じクラスになるようにお願いして来た。本当にこの時の俺はファインプレイだったと思う。


 ただ悲しいことに、妹は友達と離されてしまった。きっと相手の親の頼みだったのだろう。

 

 「お兄ちゃん、誕生日プレゼントありがとうね」


俺はお金もないしあげられるものが無かったから。


 「拾ったものでごめんね」


お姉ちゃんに相談して教えてもらった責めてものプレゼントだ。


 「うんうん、嬉しいよ!!本当にありがとうねお兄ちゃん!!」

 


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