第3話 幼少から思春期にかけて その2

小学生から中学生にかけて。この時期は親の夫婦喧嘩が絶えなかったのを覚えている。母はよく父に殴られていた。自分は母に覆いかぶさって、一緒に殴られたのを覚えている。原因はなんなのかはハッキリとはわからなかったが、金が関わっているのはわかった。よく電話や水道が使えなくなった。給食費の未納の封筒を帰りの会で貰い、ウケ狙いでクラスのみんなに自慢した。

父親は大工だった。夏はいつもステテコでハチマキをし、材木屋のはんてんを着ていた。そのカッコで授業参観も来た。正直、一緒に歩くのが恥ずかしかった。日曜日は父の仕事場で手伝いをした。小学生高学年のときには、脚立に乗って新築の断熱材を入れる仕事ができるようになった。夏はチクチクして大変だった。現場への行き帰りの車中で、母親へのグチやら金のだらしなさを聞かされていた。この頃から、自分は幸せな家庭を作りたいと思うようになった。

中学生、学校生活では、もちろん勉強は着いていかれない。デブのままで、体力も無い。ヤンキーと怖い先生にはペコペコし、自分より弱いと思う子にだけイキる、相変わらず最低な人間のままだ。

そんな自分も恋をした。3年生の時だ。小1から中1までクラスの一緒だった人だった。消しゴムやえんぴつをよく借りた。卒業式に告白するために、マラソンをはじめてダイエットした。痩せたが、結局好きとは言えなかった。完全な一人相撲だが、自分にとって一番の思い出だった。

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遠回り空回り @chyomi

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