2024年11月7日放送 題・大観衆

今回のお題は、「大観衆」。

さまざまな催し物が

イメージされますね。

今回は歌手の方の査定でしたので、

ライブやフェスの句が

多い印象でした。


今回は、全7句の中から、

3句を添削してみました。

まず、

最下位の才能ナシ(25点)に選ばれた、

演歌歌手の

水森かおりさんの

俳句を見てみましょう。


ペンライト振れども散らぬ照紅葉てりもみじ


ペンライトの明かりを

紅葉に見立てているのでしょう。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


ペンライトのごと夜を照らさるる紅葉


うーん。苦しい添削ですね。

私なりの添削例を挙げてみます。


A ペンライトみたいに光る夜の紅葉

B ペンライト揺れいるごとし星月夜

C ペンライトめく星月夜君を待つ


紅葉をペンライトで見立てるのは、

どう添削しても、

凡作の域を出ないようです。

ですから、

ペンライトに絞って、

表現してみました。


次に、

句集掲載決定と評価された、

永世名人の

横尾渉よこおわたるさんの俳句を見てみましょう。


星月夜六万人の大合唱


夏井先生は評価されていましたが、

もう一捻り欲しいところです。

添削例を考えてみました。


A 六万の大合唱や星月夜

B 六万の大合唱や星流る

C 六万の大合唱は月にまで

D 六万の大合唱や月揺れる

E 六万の大合唱が揺らす月


「星流る」は、

流れ星のことで、

秋の季語です。

まず、

語順を逆にしてみました。

そして、

秋の季語を「月」に替えてみました。


最後に、

ボツと評価された、

永世名人の

フルポン・村上さんの

俳句を見てみましょう。


靴音にライブの余韻月の坂


私は詩的な雰囲気の薫る、

良い句だと思いましたが、

夏井先生は、

散文的と仰って、評価しませんでした。

この句を散文的と批判するのは、

いくら夏井先生といえども、

無理があるのではないでしょうか。

それくらい優れた句だと思います。

ですので、

別案を考えてみました。


A 満月や靴音にライブの余韻

B 靴音にフェスの余韻や月明り

C 月蒼し靴音はライブの余韻


原作の

「靴音にライブの余韻」

という着眼点が秀抜ですので、

このフレーズを活かして、

表現してみました。


今回は以上です。

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