2024年10月31日放送 題・外食

今回のお題は、「外食」。

幅の広いお題なので、

比較的作りやすいのではないかと、

推察いたします。


今回は、全7句の中から、

3句を添削してみました。

まず、

第2位の凡人(67点)に選ばれた、

タレントの

三倉茉奈さんの

俳句を見てみましょう。


吾子抱えつまむ秋刀魚は骨多し


吾子(あこ)は自分の子どものこと。

場面の分かる句です。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


吾子抱きつ食むや秋刀魚は小骨ごと


「吾子抱きつ」は

「吾子抱きつつ」という意味です。

俳句で使われる特殊な「つ」のようです。

しかしながら、

もう少し良くなりそうですので、

添削例を挙げてみます。


A 子を抱きて秋刀魚を食べる小骨ごと

B 骨多き秋刀魚を食べる子を抱いて

C 食べ終えし秋刀魚の骨の美しき


こうすると、

よりスッキリしたのではないでしょうか。


次に、

句集に掲載決定と評価された、

永世名人の

フルポン・村上さんの

俳句を見てみましょう。


秋爽の皿やオリーブオイルの黄(き)


秋爽(しゅうそう)は、

さわやかな秋のこと。

シンプルで、いい句です。

別案を考えてみました。


A 外食の皿やオリーブオイルの黄

B 秋晴やオリーブオイルの黄なる渦

C 黄の渦のオリーブオイル秋高し


「オリーブオイルの黄」を

黄の渦というふうに、

少しだけ描写してみました。


最後に、

句集に掲載決定と評価された、

永世名人の千原ジュニアさんの

俳句を見てみましょう。


二軒目へ行く汝(な)帰る吾(あ)薄月夜


薄月夜(うすづきよ)は、

月の光の仄かな夜のことで、

秋の季語。

「行く汝(な)帰る吾(あ)」の

対句のリズムが良いですね。

別案を考えてみました。


A 二軒目へ行くを見送る薄月夜

B 薄月夜二軒目へ行く貴方の背

C 星月夜二軒目へ行く君「またね」

D 星月夜二軒目へ行かない二人


星月夜は

星が月のように明るい夜のことで、

秋の季語です。

それから、

汝という古風な二人称を

貴方や君に替えてみました。

全体的には、

恋愛のニュアンスの薫るように

表現してみました。


今回は以上です。




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