2024金秋戦・予選Cブロック 題・一人旅

今回は、

2024年9月19日に放送された、

2024金秋戦・予選Cブロックについて、

分析・添削していきたいと思います。

予選Cブロックのお題は「一人旅」。

今回も、

出演者5名による、

白熱の俳句バトルが繰り広げられました。


さて、

今回は全5句のうち、

3句を添削してみました。

まず、

第3位に選ばれた、

特待生1級の

犬山紙子さんの

俳句を見てみましょう。


月白や温泉にいる吾と腫瘍


「月白(つきしろ)」が秋の季語で、

月が昇るころに

東の空が

しろじろとすることを言います。

場面の分かる良い句です。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


月白や旅の湯に吾(あ)と吾(わ)が腫瘍


これはこれで十分なのですが、

別の添削例を考えてみました。


A 月白の温泉全て癒すべし

B 月白の旅の湯や小さき腫瘍

C 月白の旅の湯や良性腫瘍


腫瘍の情報を

少し付け足してみました。

ご回復をお祈りいたします。


次に、

第2位に選ばれた、

名人10段の

中田喜子さんの

俳句を見てみましょう。


ひとすじの秋水ひとり旅とどめ


「秋水(しゅうすい)、秋の水」が季語。

秋の澄み切った水の流れのことです。

掲出句は、良い句ですが、

「とどめ」を直したいですね。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


ひとすじの秋水ひとり旅の果て


このままで十分ですが、

別の添削例を考えてみました。


A ひとすじの秋水ひとり旅つづく

B ひとすじの秋水ひかる一人旅

C 一人旅始めましょうか秋の水

D 一人旅続けましょうか秋の水

E 一人旅終わりましょうか秋の水


一人旅の最後を

予感させる秋の水よりも

一人旅の途中や

一人旅の始まりを

予感させる秋の水のほうが

季語と合っていて、

いいかなと思います。


最後に、

第1位に選ばれた、

名人9段の

千賀健永さんの

俳句を見てみましょう。


清秋や海にマンタといるしじま


秀句だと思います。

「清秋」は、

空気の清らかに澄んだ秋のこと。

「しじま」は

沈黙や静寂のこと。

「マンタ」は

オニイトマキエイの総称。

掲出句は、

このままで十分ですが、

別の添削例を考えてみました。


A 金秋の海にマンタと二人きり

B 金秋の海やマンタと二人きり

C 金秋の海のマンタのしじまかな

D 秋の海ひるがえるマンタのしじま

E 秋の海マンタになってひるがえる


せっかくの金秋戦の予選ですから、

清秋ではなく金秋を使ってみました。

添削例C以降は、

主人公の存在感を消して、

マンタの描写に徹してみました。

そうしていくと、

最後は、

マンタと一体になっていました。


というわけで、

予選Cブロック1位の

千賀健永さんの

決勝戦進出が決まりました。

おめでとうございます。

そして、

敗者復活として、

夏井先生が選んだ、

予選Aブロック2位の

立川志らくさんと、

予選Bブロック2位の

森口瑤子さんの2名の

決勝戦進出も決まりました。

あとはシードの

永世名人5名を合わせた、

10名によって、

2024金秋戦決勝が行われます。

それは次回に。


予選Cブロックは、以上です。





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