2024金秋戦・予選Bブロック 題・一人暮らし

今回は、

2024金秋戦・予選Aブロックに引き続き、

2024年9月12日放送の

予選Bブロックについて、

分析・添削していきたいと思います。

予選Bブロックの

お題は「一人暮らし」。

出場者5名による

白熱の俳句バトルが繰り広げられました。


さて、

予選Bブロックからは、

3句を添削してみました。

まず、

第4位に選ばれた、

名人6段の

皆藤愛子さんの

俳句を見てみましょう。


のろのろと包帯広げ干す秋夜


秋夜は「しゅうや」と読みます。

包帯という素材が良いですね。

もう少し良くなりそうですので、

添削例を挙げてみます。


A 秋夜なり独り包帯干しており

B 虫時雨独り包帯外しゆく

C 満月や独り包帯巻いてゆく

D 足首の包帯外す秋ひとり

E 足首に包帯を巻く秋ひとり


皆藤さんの説明によると、

足を骨折されたとのこと。

ですので、

添削例後半では、

「足首」を使って、

臨場感を出してみました。


次に、

第3位に選ばれた、

特待生3級の

柴田理恵さんの

俳句を見てみましょう。


今日よりはひとり分なり秋の風


よく分かる、

良い句だと思います。

もう少し良くなりそうですので、

添削例を挙げてみます。


A 秋風や今日から全部ひとりぶん

B 秋晴や今日から全部ひとりぶん

C 朝冷や今日から全部ひとりぶん


「朝冷(あさびえ)」は、

秋の季語です。

語順を替えて、

季語を替えてみました。


最後に、

第2位に選ばれた、

名人8段の

森口瑤子さんの

俳句を見てみましょう。


空の巣症候群のような夜長


悪くはないと思いますが、

「ような」という直喩は、

削れるのではないでしょうか。

添削例を挙げてみます。


A 空の巣症候群の夜長のカップ麺

B 空の巣症候群の夜長や台詞読む

C ジブリ観る空の巣症候群の秋

D ヘッセ読む空の巣症候群の秋

E バッハ聴く空の巣症候群の秋


原作は、

破調ですので、

出来るだけ韻律を整えてみました。

「空の巣症候群」を癒すような、

ジブリ、ヘッセ、バッハなどを

取り合わせてみました。


なお、

予選Bブロックの

第1位に選ばれたのは、

特待生1級の

森迫永依さん。

その俳句を見てみましょう。


薄めたシャンプー朝冷のワンルーム


一人暮らしの

秋の朝の外出前の

さわやかな緊張感の伝わる秀句ですね。

決勝進出おめでとうございます。


予選Bブロックは、以上です。





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