2024年8月15日放送 題・かき氷
今回のお題は、「かき氷」。
身近な食べ物ですので、
どう発想を飛ばせるかが
勝負になるのでしょう。
なお、
「かき氷」は、
夏の季語ですが、
俳句では、夏氷や氷水も
かき氷の意味で使うようです。
今回は、全7句の中から、
3句を添削してみました。
まず、
第4位の凡人(45点)に選ばれた、
お笑い芸人の
ずん・飯尾和樹さんの
俳句を見てみましょう。
口元や甘いドラキュラかき氷
かき氷を食べたらドラキュラみたい、
そんな句はめちゃくちゃあると、
夏井先生は仰っていました。
たしかにベタな発想です。
夏井先生の添削例を見てみましょう。
口元は甘いドラキュラかき氷
しかしながら、
これも今ひとつですので、
添削例を挙げてみます。
A ドラキュラに二人でなろうかき氷
B かき氷ああドラキュラになれぬまま
C 本物のドラキュラが喰うかき氷
ドラキュラとかき氷の
取り合わせで、
どこまで凡作を脱出できるか
挑戦してみました。
恋の雰囲気や、
ユーモアを交えてみました。
次に、
第1位の才能ア((72点に)選ばれた、
俳優の
野村麻純(ますみ)さんの
俳句を見てみましょう。
まどろみの友は臨月かき氷
臨月と言う言葉が
よく効いている句です。
これはこれで十分ですが、
別案として、
添削例を考えてみました。
A 詩集読む臨月の人かき氷
B バッハ聴く臨月の君かき氷
C 陣痛が来て食べかけのかき氷
「まどろみ」の代わりに、
バッハとか詩集とかを
入れてみました。
添削例Cでは、
陣痛の場面を想像して、
かき氷と取り合わせてみました。
最後に、
お見事と評価された、
特別永世名人の梅沢富美男さんの
俳句を見てみましょう。
秋淋し宇治金時のほろ苦く
「秋思(しゅうし)」が、秋の季語で、
傍題に「秋さびし、秋あわれ」
などがあります。
また、「宇治金時(うじきんとき)」は、
アズキや抹茶をかけたかき氷ですが、
何故か季語ではないようです。
さて、
この句で気になるのは、
夏井先生も仰っていましたが、
「秋淋し」と「ほろ苦く」の
イメージが近いところでしょう。
夏井先生の添削例を見てみましょう。
秋淋し宇治金時のほろ甘く
なるほど。
「ほろ苦く」を「ほろ甘く」に替えて、
「秋淋し」との距離感を
少し離すという添削です。
しかし、
直すべきは「ほろ苦く」ではなく、
「秋淋し」という季語
なのではないでしょうか。
添削例を挙げてみます。
A ほろ苦き宇治金時や法師蝉
B ほろ苦き宇治金時や彼岸花
C ほろ苦き宇治金時や秋高し
まず、
語順を入れ替えました。
そして、
「秋淋し」という
感傷的な季語を削って、
ほかの秋の季語に代えてみました。
添削例Cが、
いちばんバランスが
取れている句かなと思います。
ところで、
たしか永世名人のなるための査定では、
一文字でも添削されたら、
降格になっていたと思いますが、
夏井先生は、
今回の梅沢さんの句で、
「ほろ苦く」を「ほろ甘く」に
一文字直しています。
なのに「お見事」という評価は、
言行不一致ではないでしょうか。
細かいことかもしれませんが、
一応指摘いたしておきます。
今回は以上です。
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