2024年6月20日放送 題・雨の行列

今回のお題は、「雨の行列」。

今回も、

さまざまな角度から

切り取られた、

「雨の行列」の俳句に出会えました。


さて、

今回は、全7句の中から、

3句を添削してみました。

まず、

第3位の凡人68点に選ばれた、

アイドルの

小山慶一郎さんの俳句を見てみましょう。


梅雨寒やこぞって並びしワンタン麺


梅雨寒(つゆさむ)とワンタン麺の

取り合わせが面白いですね。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


梅雨寒やこぞって並ぶワンタン麺


至ってシンプルな添削です。

しかし、

もう少し良くなりそうですので、

添削例を挙げてみます。


A 梅雨寒のワンタン麺の列に立つ

B 長梅雨や君とワンタン麺の列

C 二人立つギョーザの列や夕立晴


行列に、

一人で並ぶのも

悪くないですが、

誰かと一緒に

並んでみた方が、

俳句としては、

余情が出るかなと思います。


次に、

第1位の才能アリ72点に選ばれた、

美容家の

IKKOさんの俳句を見てみましょう。


タクシー待つ単衣鴇色雨曇


単衣(ひとえ)は、

一重の和服のこと。

夏の季語です。

鴇色(ときいろ)は、

薄桃色のこと。

雨曇りは、

少し意外ですが、

季語ではありません。

掲出句は、

場面のよく分かる秀句です。

夏井先生の添削も無し、でした。

ですので、

別案として、

添削例を考えてみました。


A タクシーを待つ鴇色の単衣かな

B タクシーを待つ藍色の浴衣かな

C 列に立つ浴衣鴇色雨上がる


「浴衣」が夏の季語です。

原作は、

少し窮屈な印象がありましたので、

韻律をゆったりとして、

余韻の残る感じにしてみました。


最後に、

お見事!と評価された、

特別永世名人の

梅沢富美男さんの俳句を見てみましょう。


遥かなる長持唄の喜雨をゆく


「喜雨(きう)」は、

日照りが続いた後に降る雨のこと。

夏の季語です。

「長持唄(ながもちうた)」は、

婚礼などで歌われる祝い唄」。

夏井先生の添削は無し、でしたが、

もう少し良くなりそうですので、

添削例を挙げてみます。


A 喜雨を行く長持唄の響きけり

B 唄ひびく花嫁行列梅雨の蝶

C ゆっくりと花嫁行列夕立晴(ゆだちばれ)

D ウエディングドレスの君や雲の峰


「梅雨の蝶」は、

梅雨の晴れ間を飛ぶ蝶のこと。

「夕立晴」は、

夕立の後の晴れ間のこと。

「雲の峰」は、

入道雲の異称。

3つとも夏の季語です。

添削例Dは、

洋風に、

少しお洒落な感じにしてみました。


今回は以上です。









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