2024年5月2日放送 題・連休の混雑

今回のお題は、「連休の混雑」。

ゴールデンウィークらしいお題ですね。

いろいろな場面が

考えられますので、

出演者の皆さん、

苦吟されていたように思います。

ちなみに、

「黄金週間、ゴールデンウィーク」は、

春(晩春)の季語です。


さて、

今回は、全7句の中から、

3句を添削してみました。

まず、

最下位20点に選ばれた、

俳優の関水渚さんの俳句を見てみましょう。


青嵐海の上での人違い


「青嵐(あおあらし)」が、

夏の季語で、

青葉の頃に吹く強い風のことです。

関水さんの説明を

私なりに咀嚼すると、

休みになると、

ウィンドサーフィンする父と

海へ行って、父を見失った記憶を

表現したということのようです。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


連休の水着とりどり人違い


「水着」が、夏の季語です。

これでいいのでしょうが、

もう少し良くなりそうなので、

添削例を挙げてみます。


A サーファーの父に連れられ夏の海

B 夏休みサーフボードの父ひかる

C あの夏のウィンドサーフィンする父よ

D サーファーの父見失う夏休み

E わたくしは夏の迷い子波の音


こうすると、

関水さんが

父と人違いしたときの感覚に

より近づけたかなと思います。


次に、

現状維持と評価された、

名人7段の

立川志らくさんの俳句を見てみましょう。


色も無き渋滞にふと桜雨


「桜雨」が、春の季語で、

桜の咲く頃に降る雨のことです。

「ふと」は、

突っ込まれやすい2音の言葉ですが、

私はこの句は、

そんなに悪くないと思います。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


桜雨走れり色の無き渋滞


常々思っていたのですが、

夏井先生は下5を6音にする添削が

頻繁に見受けられます。

この添削例もそうです。

俳句は定型詩なので、

出来るだけ、

定型は守ってほしいものですね。

私なりの

添削例を考えてみました。


A 無色なる渋滞 桜雨薫る

B 渋滞のモノクロームや桜雨

C 渋滞はモノクロ 桜雨薫る

D 渋滞は時止まるほど花吹雪

E 渋滞のモノクロームへ花吹雪


桜雨よりも

花吹雪のほうが

この俳句空間が

華やかになるのではないでしょうか。


最後に、

句集掲載ボツと評価された、

永世名人の

村上健志さんの俳句を見てみましょう。


黄金週間の原宿 四つ折りの紙幣


このままでも良い俳句です。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


1 黄金週間初日 四つ折りの紙幣

2 黄金週間来 四つ折りの紙幣

3 春休の原宿 四つ折りの紙幣


やや強引な印象は否めませんね。

特に添削例の2は、

おうごんしゅ/うかんく 四つ折/りの紙幣

となっていて、

句またがりにもほどがあるでしょう。

私なりに

添削例を考えてみました。


A ポケットに四つ折り紙幣春休み

B 黄金週間四つに折った紙幣持ち

C ゴールデンウィークの渋谷キャッシュレス

D ゴールデンウィークの渋谷君を待つ

E ゴールデンウィーク「ぷよぷよ」する二人


添削例B以外は、

ぴったり定型になっていると思います。

添削例D、Eでは、

恋の俳句にアレンジしてみました。


今回は以上です。







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