2024年4月25日放送 題・ふるさと 名人・特待生一斉査定

今回のお題は、「ふるさと」。

また、

今回は、

名人・特待生一斉査定でしたので、

出演者3名全員の俳句を

分析してみたいと思います。

さて、

「ふるさと」という

スーパー凡人ワードを、

名人・特待生3名は、

どう料理したのでしょうか。


まず、

1ランク昇格と評価されて、

特待生3級から特待生2級になった、

犬山紙子さんの俳句を見てみましょう。


生家のこでまり甘やかな退屈


破調は気になりますが、

良い俳句です。

「甘やかな退屈」が、

キラーフレーズですね。

「小手毬(こでまり)」は、

春に咲くバラ科の白い花です。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


こでまりの生家よ甘やかな退屈


これだと、

下5が6音ですね。

添削例を挙げてみます。


A 甘やかな退屈こでまりの生家

B 生家なる小手毬 甘き退屈よ

C 生家なる木蓮や退屈甘し

D 退屈は苦し生家の豆の花

E 甘やかな傷心生家なる躑躅(つつじ)


作者の実感は

尊重しないといけませんが、

ここは、

小手毬に固執する必要はなく、

ほかの春の花でもいいかなと思いました。


次に、

句集掲載ボツと評価された、

永世名人の

藤本敏史さんの俳句を見てみましょう。


「乗りますか」ふるさと経由春の雲


ファンタジーとしては、

少し甘いかなと思います。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


ふるさとや乗ってゆくかと春の雲


悪くは無いのですが、

もう少し良くなりそうなので、

添削例を挙げてみます。


A ふるさとに立ち寄る春の雲のバス

B ふるさとを経由するべし春の雲

C 春の雲のバスが通ってゆく郷里

D ふるさとに寄るペガサスの春の雲

E ふるさとへ行けペガサスの春の雲


春の雲の形状が分らないので、

例えばバスとかペガサスとかを、

使ってみました。


最後に、

句集掲載決定と評価された、

永世名人の

千原ジュニアさんの俳句を見てみましょう。


故郷の苜蓿(もくしゅく)の香は濃かりけり


「故郷」は普通「こきょう」と読みますが、

ここでは「ふるさと」と読んでいました。

さて掲出句。

千原ジュニアさんのふるさとである、

京都府福知山市に句碑を建てたいほど、と

夏井先生は絶賛されていました。

たしかに、

ノスタルジックで良い句だと思います。

「苜蓿(もくしゅく、うまごやし)」が、

春の季語で、白詰草(しろつめくさ)

つまりクローバーの俗称です。

ただ、

苜蓿だと、

ウマゴヤシなのかクローバーなのか

紛らわしいので、

ここでは、

「クローバー」に統一して、

添削例を考えてみました。


A ふるさとの盆地を薫るクローバー

B クローバーこんなに薫る福知山

C 福知山線沿いクローバー薫る

D クローバー薫る郷里に再開す

E クローバー薫る郷里を君と行く


広辞苑に載っている、

福知山線、福知山盆地を

イメージしながら作ってみました。

添削例D、Eでは、

恋の俳句にアレンジしてみました。


今回は以上です。







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