2024年2月22日放送 題・カラオケ

今回のお題は、「カラオケ」。

いろいろな場面が想像できますので、

どのシーンを切り取るかが、

キーポイントでしょう。


今回は、全7句の中から、

3句を添削してみました。

まず、

最下位・才能ナシ(3点)に選ばれた、

レイザーラモンRGさんの俳句を見てみましょう。


朧月負けたらあかんで東京に


この字面だけ見たら、

悪くない俳句です。

しかし、

「負けたらあかんで東京に」が、

天童よしみさんの「道頓堀旅情」の

歌詞のパクリということで、

3点の俳句になりました。

逆に、この3点は何なのか?

おそらく、

春の季語「朧月(おぼろづき)」を

使っているという評価かと推察します。

確かに、

盗作といえば盗作なのですが、

RGさんに、

それほど悪意があったわけではなさそうです。

天童よしみさんが好きで、

何回もこの曲を歌い込んだ、

その熱意は評価されるべきではないでしょうか。

添削例を挙げてみます。


A 朧月「負けたらあかんで東京に」

B 東京に負けない 春の夜に歌う

C 演歌歌う一人カラオケ春嵐

D 春の夜の一人カラオケ百曲目


歌詞にカギ括弧を付けると、

盗作ではなく、

引用になると思います。

そのほかの添削例は、

作者の説明を元に、

考えてみました。


次に、

第4位・凡人(60点)に選ばれた、

演歌歌手の田中あいみさんの俳句を見てみましょう。


カラコロンマイクとお酒沁みる春


田中さんの説明によると、

「カラコロン」は、

ドアを開けたときに鳴る音のこと。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


ドアベルとマイクとお酒沁みる春


これはこれでいいのかもしれませんが、

「沁みる」あたりは、削れそうです。

添削例を挙げてみます。


A ドアベルの鳴るスナックに歌う春

B 春月や友とお酒とカラオケと

C 酒を飲みマイクを握る春の夜

D 春の闇飲んで飲まれデュエットす


作者の表現したかった世界に、

少しは近づけたかなと思います。

添削例Dは、

季語「春の闇」を使った、

やや実験的な俳句かもしれません。


最後に、

特待生4級の、

武田鉄矢さんの俳句を見てみましょう。


「なごり雪」君を見ないで歌い出し


〈なごり雪〉が、春の季語です。

夏井先生は、この句を高評価したうえで、

次のように添削されました。


なごり雪君を見ないで歌い出す


これで十分なのでしょう。

しかし、

「君を見ないで」あたりは、

やや粗い表現に思えます。

添削例を挙げてみます。


A 君を見ず歌い始めるなごり雪

B なごり雪歌いつつ目の端に君

C なごり雪歌えば君が口ずさむ

D なごり雪歌う貴方のポニーテール


原作が恋の俳句ですので、

その世界観を壊さないように、

添削してみました。


今回は以上です。








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