2024年2月8日放送 題・焼肉

今回のお題は「焼肉」。

焼肉は人気の料理ですから、

意外と難しいお題だったのかもしれません。

査定では、才能アリが1人もいないという、

おそらく前代未聞の事態まで起きていましたから、

皆さん、苦吟されたようです。

なお、「焼肉」は季語ではありません。

なんとなく冬っぽいイメージですが…。


さて、

今回は総勢7名の俳句の中から、

3句を添削してみました。


まず、

最下位・才能ナシ(25点)に選ばれた、

プロレスラーの棚橋弘至さんの俳句を見てみましょう。


焼肉で筋肉付けて春肥大


素材は悪くない俳句だと思います。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


筋肉の映える春なり肉を食う


これはこれでいいのでしょうが、

もう少し良くなりそうです。

春と焼肉と筋肉、

この組み合わせで、

添削例を考えてみました。


A 焼肉が筋肉となる春の宵

B このカルビ筋肉となれ春の宵

C 春宵の焼肉捧ぐ筋肉へ


こうすると、

原作の感情の芯に、

少し近づけたかなと思います。


次に、

第4位・凡人(45点)に選ばれた、

和牛・水田さんの俳句を見てみましょう。


先輩をいや肉待ち侘びる二月の夜


少し情景が分かりにくいですね。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


焼肉屋の前に先輩待つ余寒


「春寒(はるさむ)」が、春の季語で、

その傍題に「春寒(しゅんかん)、余寒(よかん)」

などがあります。

この添削例でも十分ですが、

別の添削例を挙げてみます。


A 春寒し焼肉を先輩を待つ

B 焼肉の匂い漂う余寒かな

C 焼肉の匂う余寒の夜に待つ

D 君待てば焼肉匂う春の宵


5・7・5の正調に直してみました。

添削例Dでは、

恋の俳句にアレンジしてみました。


最後に、

永世名人のフルーツポンチ・村上さんの

俳句を見てみましょう。


スッカラの窪みは浅し春の宵


ネットで調べたところ、

スッカラとは、

韓国のスプーンで、

その特徴は窪みが浅いこと。

ん?

この俳句の

「スッカラの窪みは浅し」って、

ネット情報の受け売り?

最初読んだときは、

村上さんらしい細部に目の届く

俳句だと思っていましたが、

もしかして、

このフレーズって、

コピペなのかもしれませんね。

夏井先生は、

この句を褒めていましたけど…。

この句を句集掲載決定にしていましたけど…。

まあ、それは置いといて、

添削例を考えてみました。


A 焼肉店のスッカラ静か春の宵

B スッカラの銀にかがやく春の宵

C ビビンバの器は深し春の宵


添削例A、Bでは、

スッカラを少し描写してみました。

また、

「春の宵」は、

「浅し」ではなく「深し」のほうが、

合っている感じがしましたので、

添削例Cで表現してみました。


今回は以上です。






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