第104話 あの季節を再び
~~これは、地球が爽やかさを取り戻した勇敢な人達の記憶である~~
「やったーコロナちゃん、無事だったね!良かったよ~」
あたしは、マグマに回収されて、すぐにコロナちゃんを見つけて飛びついた!一時は、連絡も途絶えたから、ホントに心配しちゃった!
「ありがとう、マナちゃん!……これで、全員無事揃ったのね!」
あたしは第1艦橋を見渡し、ホッと胸を撫でおろした。静かに、傍に寄って行って、思いっきり背中をツネってやった!
「イテテテテ……マナよ、おめえ、何すんだよ!」
「イタイかい?……あーー、それは良かった……良かった……ズズ……よ、よか……ったよ~~」
「マナ?……大丈夫か?……何、泣いてんだよ……もう、大丈夫だって…………」
アッツが、あたしの涙を拭きながら、頭をポンポンとしてくれた。
あーー、あたし……まるで、子どもじゃん!モー
でも、しばらくどうにもできなかったな~
それに、周りを見たら、シーセンセも校長先生に慰められていたし、事務長さんも泣きながら教頭先生報告してるな…………みんな、それだけ緊張してたんだな。
あれ?ミー先輩だけが、なぜか一人で…………室長とコロナちゃんの様子を遠くから見てる?傍に行けば…………遠慮してるのかな?なんか、コロナちゃんが室長に甘えているし…………あたしが、ミー先輩を……!
あれ?コロナちゃんが、ミー先輩を呼んでる!
「……ミナ!ミナ!…………おいで!」
「え?……コロナちゃん?……」
「うん、そうよ!私は、コ・ロ・ナよ!……おいで、ミナ!」
「うん!うわわわわわ………コロナちゃん!コロナちゃん!……私、頑張ったの!頑張れたわ!」
「そうね、よくやったわ、ミナ!……ほんとに偉かったわ!」
「うん!ありがと!コロナちゃん!」
『そうよ!コロナも頑張ったわ!』
『えへへ、そうかな……夢中でやったよ!』
『これからは、ナッチーと仲良くね!』
『ありがとう、フーちゃん!』
ミー先輩がコロナちゃんに抱き着いて、あんなに喜んでいる。どうしたのかな?あんなに、コロちゃんが好きだったのかな?
まあ、いいっか!ミー先輩が元気なら!
「ところで、室長!あたし達の打ち込んだ“冷却エナジーカプセル”は、成功だったんですか?」
「ああ、
「シツチョウ!ナンキョクノ ナンシーカラ レンラク ハイッテルヨ!」
≪……タイヨウ!お疲れ!
……うまくいったな!
こちらの観測では、赤道付近の地熱の上昇が無くなったぞ!この分だと、それぞれの火山エネルギーも収まってくるよー!≫
「そっか、とりあえず、成功だな!」
≪おお、よくやったぞ!
……私達は、観測を続けるから、また、何かあったら連絡する!≫
「ああ、ありがとう。頼むな!」
≪……こちら、アメリカのジョンだ!聞こえるか?
…………こちらの調査では、世界各地で起きていたウィルスによる人への感染が無くなったとわかった!
これで、無暗に温暖化を進めるやつはいなくなったんだ!≫
「ありがとう、ジョン!……それじゃあ、引き続き調査を頼む!」
≪了解だ、タイヨウ!≫
「みんな、聞いたか!
……これで、我々の目的は果たされた!これで、地球の温暖化ともおさらばだ!」
「「「「「「「「……ヤッター………ヤッホーーー!……」」」」」」」」」
みんな本当に嬉しかったのね!大喜びだわ!
室長もホントに嬉しかったのね。コロナちゃんと手をとって喜んでいたの。
え?これで、地球は元に戻るかって?
うーーん?急には無理かな…………だって、そんなに急に地球が冷えたら、それこそ人類が体調不良で、みんな居なくなってしまうじゃない!
だから、室長が言ってたけど…………20年くらいかかるかなって…………もとの気候に戻るのに。
ま、それまで、あたしはこの温かい地球を楽しむことにしたわ!アッツと一緒にね!
それに、何だかミー先輩もとっても楽しそうだし!
ねえ、みんな。
しばらく暑さは続くようだから、夏の暑い時は、服なんか着ちゃダメだよ!ちゃんと、水着を着て、いつでもミストを浴びれるようにしておいてね!
わかった!
じゃあね!
【おわり】
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