特別編成章 地球観測日誌

第105話 天気と憂鬱

 21xx年x月xx日(月) 天候:晴れ



 全員出撃から1ヶ月経った。あの時、最初に、それも有り得ない早さでウチのところに現れたナッチーは、何を考えていたんだろうか。

 ウチは、アンドロイドだし……。

 多少、壊れても修理がきくのよね。平気だし!



 でも、あの時、ナッチーが血相を変えて駆け付けた時、なぜかとっても嬉しかった!



 何でかな?

 (決まってるじゃない!あなたが、太陽ちゃんを好きになってるの!)



 何?好きって?ウチ、よく分かんない!

 (あなた、私と太陽ちゃんが話してると、電圧上がるでしょ!どうして?)



 だって、何だかイライラするんだもん!ナッチーったら、あなたにも優しいし!

 (しかたないでしょ!太陽ちゃんは、知らないんだもんね)



 そうなの、ナッチーったら、あなたと話してる時も、コロナって呼んでるんだもん!






「コロナ~そろそろお昼ご飯食べないか?」

「はーい、今、行く~」

「なあ、夕べのハンバーグ残ってるだろ?あれ、温めて食べないか?」

「別に、いいよ~」


「だってさー、あの戦いの後から、コロナって料理が出来るようになったよな~……特に、ハンバーグは最高だぜ!」

「えへっ!……また、作るね!」

「おう、頼むな!」




『……フーちゃん、また、お願い!』

(いいわよ、いつでも言って……私の得意料理だから、任せて…………あ、でも、ちゃんと体は言ったとおりに動かしてね)


『分かってるって!……何だか、最近、フーちゃんが言う前に、体が自然に動くのよね……』

(そう、良かったわ……きっと、もう少しの辛抱よ!頑張ってね、コロちゃん!)






 昼食後、表からパラパラと雨音が聞こえてきた。降る量は、そんなに多くないけど、近頃は雨が降るようになってきた。

 だから、雨が降っている時は、冷水ミストを止めても平気なんだ。


 きっと、だんだん地球も冷えてきたのかもしれないなあ…………。



★記録者:真紅野まっかの (湖路奈ころな改め)コロナ



【地球観測日誌はつづく】

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