第103話 誰よりもはやく!

~~これは、地球が爽やかさを取り戻した勇敢な人達の記憶である~~




『しまった!右エンジンからも煙が出てきたわ!……エンジン出力を絞るわ!』


『コロナちゃん!落ち着いて!今、あたしも助けに行くわ!』




『しまった!右エンジンも発火したわ!……仕方ないわ、脱出します!……フードオープン!……脱出!』


『コロナちゃーーーーん!』





 ドッカアアーーーーーン!





『……き……えるか?……聞こえるか?……コロナの機体が炎上爆発した!』



≪……え!……コロナちゃんは?……≫



『大丈夫だ!……コロナは、脱出成功した模様……コロナがパラシュートで海に降りてる!………おーーーい、コロナ―――』



「あ!あれは、ナッチーだ!……どうして?ナッチーは、ワイハにいるはずじゃ?」


『……ピッピ―……ピッピ―……ピッピ―…………僕の機体ももうダメみたいだ!脱出する!…………フードオープン……脱出!』





  ドッカアアーーーーーン!




「あーあ、ナッチーの機体も爆発しちゃった……全くも―」









「おおおーーーい!コロナ―――!…………今、行くぞ―――!」














「ナッチー、何やってんのさー……機体バラバラじゃん!」

「仕方ないだろ!急いで来たんだ!……限界突破の超音速飛行さ!機体にも無理させたんだ…………それより、お前は大丈夫か?」


「ウチは、アンドロイドだよ!大丈夫に決まってんじゃん……えへっ……」

「アンドロイドだって、生きているんだよ……心配しちゃ、悪いか?」


「ふーん……心配だったんだ?……うふっ……………ありがと!ナッチー」

「な、なん、何だよ……それより、しっかり掴まってろよ!二人して海に浮いてるだけなんだから……離れたら探すの大変なんだぞ!」

「うん!……離さないよ……もう…………………!」







 ゴオオオオオオオーーーーーーオオオオオオオオオオオオオ……



「お!ようやく回収が間に合ったな!…………おーい、ここだ!ここだ!」




≪…………ナツノシツチョウ ハッケン……ハッケン……コロナモイマス

…………コレヨリ、チキュウセンカン マグマでノ キュウジョ カイシシマス


 ……カンテイコウブ ハッチオープン…………ケンインビームハッシャ≫




「さすが、K-3だ、救助も手慣れたものだ!…………K-3!僕等を救助したら、今度は他のみんなを回収に回ってくれ!」



「リョウカイ!」




「みんな!回収が済んだら、“ブルー・アース・ラボ”に戻るぞ!」



≪……了解!……≫






(つづく)

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