第100話 マグマ発進!

~~これは、地球が爽やかさを取り戻した勇敢な人達の記憶である~~



「よし、これから、僕らの最終アタックを開始する…………全艦発進準備だ!コスチュームチェインジは、済んだか?」


 もちろん、全員オンダンナインのコスチュームになってるわ!


 それに、艦内はミストが無いわね………そっか、戦闘には邪魔よね。その代わり、抜群の空調システムが利いてるわ!室温25℃、気圧1013ヘクトパスカル、湿度60%、除菌率99,9%、酸素の含有率は地上より少し高めに設定してあるの!

 もう完璧よね!



「発進準備を開始します!……教頭先生、機関室確認お願いします」

「了解、南中子みなこ君!……熱太郎あたろう君、エネルギー充填じゅうてんだ!」

「了解!太陽光エネルギー充填、80%……」



 えっと、解説しますね!あたし達の地球戦艦マグマは、太陽の光をエネルギーとしています。今までは、太陽光を太陽電池パネルに吸収して電気エネルギーに変えて使っていたんだけど、太陽光を直接エネルギーにした方がロスは少ないらしいの。


 ま、難しいことはよく分かんないけど、夏野室長なつのしつちょうが発明したんだって!



「校長先生、ビデオパネルスイッチオン!」

「了解!ビデオパネル、艦外映像を出します!」



 わあーすっごい!第1艦橋かんきょうの天井のビデオパネルに、この船の格納されている校舎屋上が映ったわ…………変ね、でも校舎屋上って、ただのプールがあるだけなんだけど。



真夏美まなみ君、レーダー確認!本艦の飛行に際し、妨げになるものはないか、確認してくれ!」

「了解!……半径10キロ圏内、策偵さくてい開始……………大丈夫です!邪魔になるものは何もありません!」


 ははは、あたしも出番があったんだ!……頑張るぞ!



「事務長……研究室との連絡回線を開いてくれ!」

「了解!連絡回線開きます!」





「アンドロイドK-2、そっちの準備はできたか?」

「ゴシンパイナク……レイキャクエナジーハ、イマ、ホンタイコントロールパネルニ、セットシマシタ!」



 あれ?コロナちゃんみたいな……ちょっとロボットっぽい子がいるわ!また、夏野室長はコロナちゃんを真似して作ったのかな?

 それにしちゃあ、“イマイチ”かな…………やっぱり布礼愛さんには敵わないのかなあ。



「よし、タイマーをセットしろ!目標時刻は、本日、日本時間で正午丁度だ!」


「リョウカイ!タイマーセーーット!オン!」




 カチ…………カチ、カチ、カチ、カチ………




「さあ、みんなタイマーがセットされたぞ!もう、後戻りはできない!」




「エネルギー充填120%……いつでも、エンジン始動可能です!」


「よし、アッツ!補助エンジン始動」

「補助エンジン始動――!」


「メイン太陽光エンジン始動、5秒前……3……2……1……点火!」

「メインエンジン始動!」




「コロナ!プールゲートオープンだ!」

「了解!プールゲートオープン!」





 うおおおおー、ビデオパネルに映っていた屋上のプールが、真ん中から割れていったよー。水が、中央に流れ込んでいる……………


 

 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーー



 この“マグマ”の上部から大量の水が降ってきた?



 わ!プールが割れた水が無くなったら、下から地球戦艦マグマが浮き上がってきたわ!そっか、このプールの下が、格納庫になっていたのね!


 凄いわ!


 あ!この艦橋にも朝日が差し込んできた!…………段々と屋上に姿を現してきたわ!プールの水が、したたり落ちて、朝日に反射してキラキラ光ってる!




 ウオウン……ウオウン……ウオウン……


敵機来襲てっきらいしゅう!1時の方向!上角25度……1機です!」


 うわああー、もうウィルスの奴、感づいたのね!


「室長!あれは、無人機です!ウィルスの奴が、どこかで操っていると思われます!」

「分かった……胸山むなやまセンセ!撃墜してくれ!……主砲発射よーーい!」




「了解です!……主砲発射用意!目標、1時の方向、上角25度……」


「南中子君、両ウィングオープン!」

「了解!左右ウィングオープン……全艦垂直上昇!」



「主砲発射迄、あと10秒……誤差修正上方+5度、左+1度」


「主砲発射と同時に、マグマ発進だ!」




「発射迄5秒……………3……2……1……発射!」



 ズドドドドドドドーーーーーン!  グァッシャーーン!バーーーン!



「主砲命中!」

「マグマ発進!」

「発進します!……機関全開!全艦上昇45度……グオオオオオオオオオーー」


 ミー先輩!操縦桿を思いっきり引いてるわ………うわああ、体が……こ、これが、“G”なのね!







 ふうーー、収まってきたわ!




「よし、発進は成功だ!一気に高度1万メートまで上昇しながら、太平洋の中央を目指すぞ!」



 ≪……了解!……≫






(つづく)

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