第95話 全員参加の共同作業?

~~これは、地球が爽やかさを取り戻した勇敢な人達の記憶である~~




「お姉ちゃん?……お姉ちゃんなの?」






「いいえ、ウチはコロナよ!……ずうっと前からコ・ロ・ナなの!」


 言葉にこそ強弱はあるけど、あのニコリともしない表情は、まさしくコロナちゃんかな…………。

 そっか、やっぱり布礼愛ふれあお姉ちゃんは、もう居ないんだね…………。




「ナッチー?早くみんなに教えてあげたら?……この冷却エナジーは、10か所同時に打ち込まないとダメなのよね!」


 目覚めたコロナちゃんが、驚くべき情報をもたらしのよ!


「えええ?本当ですか?夏野君!」


 慌てた校長先生は、夏野室長に確認を迫ったの。


「ああ、そうなんだ…………この冷却エナジーは、バラバラに地球に打ち込んでも効果が無いんだ…………だから、みんなに協力をお願いしたいんだ!」






 あああー、そう言えば、ここに集まった時、室長は“みんなにお願いしたいことがある”って言ってたわよね。それが、これだったんだ!

 まあ、あたしのお願いは、もう叶ったし…………だって、湖路奈ころなちゃんと布礼愛ふれあさんのことが分かって、ミー先輩も吹っ切れたようだから、きっとまた元のようになってくれるわ…………




「分かったわ。夏野室長なつのしつちょう!私達“ちおんけん”は、何でも協力するわ!いいわね、みんな!」


 ほら、ミー先輩が元気になっているわ!


「アッタボーヨ!何でもオイラに任せて、チョー~~ダイ!」

「もお、アッツったら、ホントに調子がいいんだら…………もちろん、あたしも協力するわ!アッツだけには、任せられないもの!」


「えへへ……オレとマナの“はじめての”共同作業だなぁ~えへへへ」

「何、バカなこと言ってんの!今までだって、ぜーんぶ“共同作業”だったじゃない!あたし達は、2人で一人前なのよ!」


「あは・あは・あはははは……えへへへ」


「さあ、夏野室長、誰がどこへ行けばいいの?教えてよ!」




「あ、ううん……オンダンVのみんなには、少し危険な場所に行ってもらうよ。君達はオンダンコスチュームに慣れているからね。少し暑いけど、大丈夫だ、安心してくれ!

 …………校長、教頭、事務長には、できるだけ安全な場所を選んだ。

 …………この研究室にセットする分は、フルオートの自動タイマーで行う。他の箇所は、ここのタイマーに連動するように行動するんだ!

 …………ここ以外に冷却エナジーを打ち込まなきゃならないのは、全部で9か所だ。

 …………だから、僕も行く事にする!」



 室長からの人員発表は、以下のようになったわ!

 

 1.北極点………厚着校長

 2.南極点………真黒事務長

 3.ワイハのクラウエア火山………夏野室長

 4.アンドネシアのイワ・イジェン火山………上杉南中子(ブルー)

 5.ツリのホジャリカ火山………中村熱太郎(イエロー)

 6.ゲアテマラのイカヤ火山………岡崎真夏美(ピンク)

 7.ウタリアのビェスヴィオ山………胸山湿図絵(レッド)

 8.カロンビアのヤレラス火山………真紅野湖路奈(グリーン)

 9.ウイスランドのアイヤフィヤトラヨークトル火山………剛毛教頭




 でも、一つだけ問題があるわね!…………それは、現地までどうやって行くかだわ?

 さっき、アッツが言ったように、エナジーカプセルを抱えて走って行くわけじゃないと思うけど、あたし達には、移動の手段が無いのよね~

 

 まさか、こんなどん詰まりで、時空転移なんて荒業使うって言うんじゃないでしょうね…………本当にあの夏野室長ったら、何考えてるか、分かったもんじゃないから、あたし心配なのよね!



(つづく)

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