第96話 オンダン戦隊リニューアル!

~~これは、地球が爽やかさを取り戻した勇敢な人達の記憶である~~




「そういう訳で、南中子みなこ君、真夏美まなみ君、熱太郎あたろう君、胸山むなやま先生、そして湖路奈ころなのみんなには、オンダンVふぁいぶとして頑張ってもらうことにするが……………

 他の場所は多少危険は少ないとは言え、厚着あつぎ校長、剛毛ごうもう教頭、真黒まぐろ事務長にも安全策としてオンダンチェインジをしてもらうことにする!」




「ええ?私達も……あの……あの、オンダンコスチュームを着れるんですかあぁ~?」


 あれ?真黒事務長さん、なんか喜んでる?…………そっか、やっぱりあのコスチュームに憧れてたんだね。

 それにしても、剛毛教頭先生が、なんかうっとりとして目がトロ~ンだわ。

たぶん、真黒事務長のチェインジ後の姿をもう想像してるわね、あれは……うふっ。




「もちろんだ!…………厚着校長はゴールド、剛毛教頭はシルバー、真黒事務長はブラウンになってもらう。

 …………そして、僕がブラックだ!」



 やっぱり、あのオンダンブラックは、初めから考えていたのね!自分がやるつもりだったんだ~………。

 ま、このオンダン戦闘戦隊は、夏野室長の発案だから、仕方無いわよね……。


 それにしても一番いいところを持っていくとは…………ふんっo((>ω< ))o



「さあ、これがオンダンウォッチだ!…………それじゃあ、みんなチェインジしてみるぞ!」




≪オンダン・ナイン・チェインジ・アーーープ!≫





 9人揃ったオンダン戦隊は、大ホールの円卓を囲み、その場で直立不動の姿勢を維持し、オンダンウオッチを填めた左手を高く翳して、大きな声で叫んだのよね!


 そしたら、いつものように眩い光が辺り一面を覆ったわ。


 すぐに、光は見えなくなったけど、円卓を囲んでいたのは、それぞれの色に染まった髪を靡かせている9人のオンダン戦隊だったの。




 あたし達は、もうこの姿に慣れているから何とも思わなかったけど、初めてチェインジした人達は、大騒ぎだったのよ。



「きゃっ!……うーーん、恥ずかしいわ!」

「何を言ってるんだい、ケイちゃんカッコいいよ!」

「ユッキもステキ~!」


「あっちょんも、似合ってるわ~」

「ああ、これで僕も、むっちょんとお揃いになれたぞ!一緒にがんばろう」

「はい、あっちょん!」


「うっひゃああーさすがナッチーよね!……うん、お似合いよ!」

「うっさいぞ、湖路奈……これは、僕が考えたオンダン戦隊なんだよ!似合ってて当たり前なの!」

「ふふーん…………」




「さあ、みんな、僕について来て!」


 夏野室長は、全部で9人になったオンダン戦隊を引き連れて、虹ノ森高校4階のブルー・アース・ラボを後にし、その上にある屋上への階段を上り始めた。




(つづく)

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