第86話 ついでに攻略?

~~これは、地球が爽やかさを取り戻した勇敢な人達の記憶である~~



「ん?南中子みなこ君がどうかしたのかい?」




 あたしは、校長先生とシーセンセに、この前の煎餅職人と戦った後、ミー先輩の元気が戻らないことを話した。

 あ!もちろん部室でオヤツタイムをしてたことは、内緒だからね!


 とにかく、ミー先輩の元気を取り戻さないと、オンダンVの活動にも支障が出ると思ったのよ。



「そうね……そう言われれば、元気がないわね。

 南中子みなこちゃんは、もともと大人しい子だから、マナちゃんみたいに浮き沈みがはっきり分からないけど、最近は、いつもパソコンと睨めっこして、私達の話にも入ってこないものね」



「え?何?……あたし、そんなにはっきり分かるの?……」


 ううっ……何てこったい!気をつけないと…………これじゃ、まるでアッツと同じになってしまうわ!


って、そんな事より、ミー先輩よ!ミー先輩!



「シーセンセ!何か解決の方法は、無いかしら!」

「そうね…………あっちょんは、どう思う?」


 ……?……何が、あっちょんよ!まったくもー


「ねえ?あっちょんは、何かいい方法しりませんか?」


「ま、マナ君?……君も“あっちょん”って言うの?

 …………う、うう…ああ、まあね……たぶんこれは、コロナさんが、この間南中子君のお姉さんのように感じたということに原因があるんじゃないかな?

 ……だから、夏野なつの温研室長に相談した方がいいと思うんだよ。彼なら、コロナ君とお姉さんの布礼愛ふれあさんだっけ?両方の情報を持っているしね!」



「うーん!流石、あっちょん!やるわね…………」


「え?もう、“あっちょん”呼びは、確定なのかな?マナ君?」



「もちろんよ!あっちょん!…………じゃあ、これからみんなで、夏野キャップのところへ行きましょう!ね、あっちょん!」



「いやあああー“あっちょん”って呼んでいいのは、私だけなの!こら、マナちゃん、メッ!」


「えへっ!」




 ちぇっ、校長先生ともっと仲良くなれば、美味しいお菓子食べ放題かと思ったけど、シーセンセったら、意外と焼餅焼きね…………まあ、いいわ!これで、校長室へは入り放題だからね!

 今度は、アッツの食べるお菓子も気にしないとダメね!



 ほんとに、世話の掛かる子なんだから……ふっ



(つづく)

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