第70話 愛の人事異動

~~これは、地球を救うために手を繋ぎ合う仲間達の物語である~~




「校長先生!一つ質問があります!」


 南中子みなこが、真剣な顔で続けた。


「あのー、ラボは、分かりました。でも、以前提案された“胸山むなやま先生の研究室長”の話は、どうなりますか?……夏野なつの所長の研究所と合わさるとなると、夏野所長の立場もあるでしょうし…………」



「うん、それなら大丈夫だよ、南中子君。このラボのキャップは、夏野君にお願いすることにしたんだ。その方が、君達の研究にも役立つと思ったんでな」



「え?それじゃ、シーセンセは?……シーセンセは、辞めちゃうんですか?」


「ああ、真夏美まなみ君、心配せんでいいから。むっちょんは、校長秘書としてラボと学校の橋渡しをしてもらうことにしたから」



「センセ!ホントにいいんですか?ここで、お菓子を食べられなくなりますよ!」


 熱太郎あたろうが、真面目な顔で、フザケタことを聞いても、胸山先生は顔色一つ変えず「大丈夫です」と静かに続けた。



「アッツ君、心配してくれてありがとう、うふっ!……でも、心配しないで!……なんせ、校長室にはいつでも高級洋菓子がたくさん、ストックされているんですもの、ね、あっちょん!チュッ!」


「もちろんだとも、あれはゼーン部君の物だよ!むっちょん!チュッ!」








「わっーーー、うっそーーー!シーセンセ!おめでとう!良かったわねーー!」


「え?何が?何が良かったの?」


「もう、アッツは、鈍いんだから!もー≪ゴン!👊≫」


「痛ってーえ!今日は、よく叩かれます!……ごっつぁんです!😑」






「まあ、それならそれで、いいんだ!胸山先生、おめでとう!」




「「……あはははは・うふふふふふ……」」


 二人は、ほんのり赤い顔をして、微笑み合っていたのだった。




(つづく)

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