第65話 どこ向く気持ち?

~~これは、地球を救うために手を繋ぎ合う仲間達の物語である~~




「え?じゃあ、ウチは誰が作ったの?ですか?」


 アンドロイドなのに驚いてしまった湖路奈ころなは、少し声が裏返った。



「そう!そういうところが、お前はロボットじゃないんだ。

 …………僕が作るロボットは、感情をもたない…………いや、もてないんだ。

 ……なあ、湖路奈ころな、お前は怒ったり笑ったり泣いたりもするだろ?」



「んーー?

 ……そりゃ、所長が仕事さぼったら、ウチは怒るよね~です。

 それに、所長が可笑しなことしたらウチは笑っちゃうよ~です。

 そして…………あれ?……グズッ……ズズ……あれ?所長に怒られたこと思い出したら……ズズーーズ……なんか涙が出るよ~~です (ಥ_ಥ)……なんで?です?」



「うーん、それはな、お前を作ったのが布礼愛ふれあだからだよ…………」


布礼愛ふれあ?……誰ですか?ウチ、会ったことあるですか?」




「さあな……。

 僕が、布礼愛を助けに行った時、傍にお前がいたんだ。

 最初、僕は布礼愛だけを連れて逃げようとしたんだけど、自分はいいからお前を連れていけって、きかないんだよ…………。

 仕方無いから、僕は死ぬ気でお前と布礼愛を両脇に抱えて走って逃げたんだ」


「そんなことが、あったのね…です」



「布礼愛は、地球の温暖化を研究しながら、生体メカニズムの研究もしていたんだ。

 彼女は、予ねてから地球は生命体に似ているので、温暖化は地球の発熱じゃないかって言っていたんだ…………。

 そんな……彼女が作った“お前”なんだ……人間の感情なんかを組み込むのは容易だったんじゃないか?」



「そっかなあ~……ウチね、怒ったり笑ったり泣いたりするのは、所長のことだけなんだよ、です」



「え?そうなのか?……そう言えば、オンダンVにチェインジした時も仲間のことで怒ったりしてないよな。何とも思わないのか?」



「うーん、理屈では変なこと言ってるなって分かるけど、別に笑うほどの事も無いし、怒る必要も感じないけどね、です」



「そ、そうなんだ。じゃあ、湖路奈に怒られているのは、僕だけってことなの?」


「えへっへへ……いいじゃん、別に減るもんじゃないし、です!」



 なぜか、笑顔の湖路奈だったが、その時突然、研究所のパネル計器から呼び出し音が鳴り響いた。



≪ビッビー……ビッビー……ビッビー……ビッビー…………≫



(つづく)

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