第6章 紡ぐ繋がりの中で……

第64話 労基違反?

~~これは、地球を救うために手を繋ぎ合う仲間達の物語である~~



 地球温暖化研究所ちおんけんの所長、夏野太陽なつの たいようは、いつものように研究室のソファーで寝ていた。いや、のびていたのだ。

 7月になり、益々太陽の光は強くなってきた。


「所長~……少しは、仕事するのですよ!もう、お昼なのだ、です!

ウチばかり、働かすな ( ̄ε(# ̄) ブー……です!」



 研究所では、湖路奈ころながすべての制服づくりのオートメーションAiを制御して、日夜生産体制を維持していた。

 お陰で、今や日本国中の小学生から高校生までが、“オンダンブランドの制服”を着用している。



 さらに、女子の水着にも“オンダンブランド”が進出し、多種多様なカラーバリエーションと奇抜なデザインで、売れに売れている。


 中でも、物議を醸しだしたのは、あまりにセクシーすぎるとして、着用年齢の設定までされた、“さわやかフリルの桃色ワンピース”だった。R-20になってしまった。

 100年以上前の文献から、デザインAiが考案した“ミニスカビキニ”に、夏野所長が手を加えたのである。




 まだ“ミニスカビキニ”の方が、節度があるとニュースにもなったが、売れ行きは“さわやかフリルの桃色ワンピース”の方が、圧倒的に売れた。購買層は、女性だけに限らず、男性の購入が目立っていた。



「所長が~、変なものを考案するから~、ウチは休む暇ないのですよ~!もう一人、製造管理できるアンドロイドを作ってくださいのですよ~」


「…………ごめん……湖路奈。……僕は、アンドロイドを作れないんだ。僕が研究していたのは、ロボット工学で、生体メカニック工学は専門外なんだ」






「え?じゃあ、ウチは誰が作ったの?ですか?」




(つづく)

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