第27話 交錯する野望?

==これは、地球の熱を冷ますために、日々奮闘する“カラフルなヒーロー達”の物語である==






「ね、ねえ……みんな?……何?……

 ………………ど、どおして……お、怒って、るの?」


 あたし達は、今、みんなで地球温暖化研究所へ向かって歩いている。学校で、教頭先生に取りついた未知のウィルスをやっつけてから、2週間ぐらい経つんだ。

 今日は、みんなで所長に文句を言いに行くんだよね。


「え?……シーちゃんセンセは、平気なの?」

「そうだよ、マナが怒るの、当たり前田の冷奴だぞ!」


「えーっと……アッツ?何、それ?どうして冷奴?」


「え?ミー先輩!……前田屋の冷奴知らないんですか?

 ……真っ白な絹ごし豆腐、冷たい氷のお皿に乗せて、鰹節をさっと振り掛け、後は納豆に混ぜる出汁入りのタレを掛けるんだ!

 …………もー最高だよ!舌の先が凍りそうになるくらい美味いんだぜ!」


 また、アッツは変な説明してるし…………ミー先輩は、『どうして、ここに冷奴が出て来るか?』って、聞いてんのに!

 ……まあ、ミー先輩にも、アッツのジョークは難し杉○太郎だな!



「えっとね、シーちゃんセンセ、あたし達はカラオケ広場や学校の体育館で戦ったわよね!」


「え、ええ……」


「そのあたし達の戦いぶりを見ていた人達……広場に居た人や学校の生徒は、あたし達が着ていたコスチュームがとっても“カッコいい”って思ったの!」



「ええ、え……よ、よかった……わ……よね?」



「うん、そこまでは、良かったの。でもね、あの夏野所長ときたら、あのコスチュームを真似た制服や一般の人向けの水着セットまで作って、売り出したのよ!」



「え、ええ……し、知ってる。

 ……わ、わたしも……3着色違いで買っちゃった!(^_-)-☆ えへっ!」



 あ!ズル!……あたしも欲しかったのに……売り切れだったのよ。

 …………じゃなくて!!


「所長、あくどい儲け方してるんじゃないかという事よ!あたし達に、あのコスチュームを着せて、宣伝させたみたいな感じじゃない?」



「まあ、マナ。そんなに一方的に決めなくてもいいと思うよ!」


「ええ?ミー先輩は、変だと思わないんですか?」



「いや、きっと何か考えがあるんだろ…………行って話をすれば分かるさ!」



 本当に、ミー先輩は優しいんだから、モー(#^ω^)…………



★挿絵:ミー先輩の通学の様子(バスに乗らない時は、街路樹のミストシャワーを浴びながら歩いて登校)

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023213199106475












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【同じ頃、虹ノ森高校の校長室では……】





「影子君、あ、いや……事務長、教頭先生の様子は、どうかな?」


「はい、大丈夫です。体型も元に戻って、髪の毛もサラサラ……胸毛も無くなりました。

 …………それに…………


 例のことは、何も覚えていないようです」



「そうか、よく調べてくれた。

 ……助かるよ、君の情報は、いつも役に立つからな……ふっ」



「ありがとうございます、校長先生」



「それで…………制服の追加注文は取れたかね?」


「はい、もうそれは……数え切れないくらい」


「だろうな、例え水着と言えど、制服として毎日着るんだ。替えの制服も欲しくなるだろう……増してや体を冷やす効果があればなお更だ」


「そうですね…………1着目は研究所の好意で、無償で配りましたから、この制服の価格は、有って無いようなもの。

 ……替えの制服は、販売手数料がかかるからということで、保護者からたっぷり集めれば……」


「しっ!影子君……余計な事は言わないように!」



「はっ!……失礼しました。では、研究所へ行って制服を貰ってきます……もう、そろそろできていると思うので」


「うん、頼むぞ…………なんと言っても、あの所長は…………ふっ、ふっ、ふっ……」




(つづく)

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