第4章 地球温暖化研究所の野望?

第23話 新制服導入・

==これは、地球の熱を冷ますために、日々奮闘する“カラフルなヒーロー達”の物語である==



「🎵ピンポン♪パンポン♬~🎵……授業中失礼いたします。只今から、緊急全校集会を開始いたします。至急、体育館にお集りください。もう一度…………🎵ピンポン♪パンポン♬~🎵」


 あのカラオケ広場での熱唱男との戦いからまだ1週間とも経っていなかったけど、まあ、それなりに学校生活は充実していたのよね。

 実は、あの貰ったオンダンVのコスチュームって、とっても涼しいの。

 

 あたしなんか、ちょくちょく校内でチェインジして、涼んでいるもんね!


 ただね、他の人に見つかると所長に怒られるから、誰も来ない体育用具室とか、備品保管庫とかでチェインジしてサボってるの。


 あ!もちろんアッツを誘ってるわよ!だって、アッツに見張りさせておけば、安心だもんね~



「み、みんな……ごめんなさいね。授業は、一旦……ちゅ、中止で……いい、わね。……さあ、た、た、い育館へ行って、ちょうだい……お、おねがい……します」


 ん?シーちゃんセンセ、あんまり驚いてないわね……これ、最初から決まっていたかも……。



「なあ、マナ。何だろうな?体育館に集合って…………あそこ暑くて、疲れんだよな~」


「そうね、体育館も冷水ミストがあるけど、どうも体育館って暑苦しいイメージがあるのよね~。いっつも部活で、汗流してる人が多いからかな~」










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 体育館に集まって、すぐに校長のお話が始まったわ。あたし達は、床に体育座りよ。これ、きっと長い話しになるかも…………。



「えーみなさん、先日、カラオケ広場でのオンダンVの活躍を見た人は、居るかな?」


 いきなりの校長の質問に、場内はざわつき出したの。口々に『俺、あそこにいた!』とか『私も見た!』とか、挙句に『TVのニュースで見た!』という人もいわ。

 もちろん、あたしも居たのよね。だって、当事者だもんね!



「なあ、アッツ?あれ、ニュースになってるのか?」


「俺もあんまり知らないけど、その日の夕方のニュースに流れたらしいぞ!」



 やけに、段取りいいんだな。あの、熱唱男だって、急に現れたはずなのに、よくTVニュースなんかに間に合ったものよね~。



「おー、そうか、そうか!……やっぱり、みんな知っていたか。……じゃあ、あのコスチュームはどう見たかな?カッコ良かったと、わしは思ったんだが……」


 おいおい、また、校長は変なことを言ってるぞ?コスチュームがカッコいい?





『オレ、あのピンクの水着の子、可愛いと思った!』


 え?ぴ、ピンク?……それ、あたしじゃん!


『私、真っ赤な水着が好き!……私も着たいな~』『私、ブルーがいい!』『私は、グリーンがいいなあ~』…………


 え?み、みんな……そんなに、アレが、いいの?……ふへーー?





「あーあー、分かりましたよ!

 …………みんな落ち着いてくれるかな?

 …………ん!んっ!…………それじゃあ、発表します!


 明日から、本校は全員統一した制服を導入します。ベースカラーは水色で、ベースデザインは、あのオンダンVです!」





「「「「「…………ええええええええーーーー!!!!!…………」」」」」




 会場がどよめいた!





「はい!はい!……静かに!!

 …………しかもこの制服は、オンダンVと同じように、全身冷却効果がある特殊繊維で作られていて、着るだけで涼しく感じるそうです。

 特に、冷水ミストと太陽光を同時に浴びると、水分が電気分解を起こして、新鮮な酸素が体を包んでくれるので、気分も爽快になるそうですよ!」




『すっげー!』『いいぞー校長!』『新制服バンザーイ!』…………


 会場が、また、どよめき、盛大な拍手が巻き起こった!









「えーっと!……そしてだな、これがその制服じゃ……じゅあ、お願いします!」



 え?え?え?……モデル?……うわーおう!



◆挿絵:制服着用のモデルさん登場!

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023212960942025



『キャー―素敵――!』『うわあわああああああああああ……』

ピューピュー…ドンドン…バンバンバン…ヤンヤヤンヤ…ゴオオオオオオオ!


 た、た、体育館が、こ、こわれるーーーー!




(つづく)


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