第22話 大観衆・

==これは、地球を救うために立ち上がった“若いヒーロー達”の物語である==





「さあ、みんな、早くチェインジを解くんだ!そうしないと、また充電切れになってしまうぞ!」


 そうそう、夏野所長よ!所長も怪しかったわ!


 どうして、ミー先輩を凝視していたのかしら……これは、直接聞くわけにもいかないし……


「みんな、準備はいい…………チェインジ オフ するわよ!」


 あああ、あれれ……シーちゃんセンセが、元に?いや、レッドの性格に戻ってる?




 ブッブー ブッブー ブッブー ブッブー …………




「みんな、待つんだ!……まだ、チェインジは、解かない方がいい!」


「どうしたのよ、所長さん!」


 なんか、また嫌な予感がする~。コロナが、腕のオンダンウオッチで、何かを確認している!



「所長!商店街のカラオケ広場に、“真夏の歌ばかりを熱唱”している男がいるそうです!」


「な~に~!熱唱してるだと~」


「そうなんですよ、所長!」


「歌うなら、“静かに、スキーの歌を歌うんですよ!”って、馬鹿言ってる場合じゃないな…………みんな、すまんがもうひと働きしてくれ!」



 えええっ!……あたし、もう疲れたわ。歌ぐらい熱唱してもいいんじゃね?




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇一休み

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023212875877755

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「居た!あいつね、熱唱男は!…………あたしのパンチでエンディングに変えてあげるわ!……イッヤーーーーアアアア!!!」


 うわ、シーちゃんセンセ、また突撃しちゃった。ひょっとして、シーちゃんセンセも、コロナと一緒で、暴れるのが好きなのかな?



「……ボフッ!……ボフッ!……ドシャ!」



 あ!……音だけ聞いてると、なんかセンセが強いみたいだけど、全部センセが食らってるのよね~センセ、ボロボロ。



「ふー、やるわね!」



 いやいや、コスチュームのお陰で、センセは防御されてるから大丈夫だけど、パンチ全部食らってるから…………。


「ねえ、コロナさん!何かいい武器はないの?」



「任せて下さい!マナミさん!…………はい、これ!」



「おー、サスガ、アンドロイドだぜ!お腹が開いて、ボールが出てきた!そのボール、俺に貸してくれ!俺が、キックオフしてやる!」


 あーあ、アッツのサッカー魂が………って、あいつサッカーなんかやってないだろ?

 アッツは、部活もしないで放課後はコンビニでオヤツばっかり買い込んで、大きなレジ袋ぶら下げてたくせに……?



「よーし!今日は、俺から行くぞ~“伝説のサッカー砲”みんなー行くぜ!フィーメーション“ボールは友達”だ!……キックオフ……行くぞ!レッド!」



「オッケー……胸でトラッブ……あ!胸が、胸が、トンガってるから、横にはねた……ゴメ~ン……グリーン!」



「大丈夫の事よ!……イッケーロケットキーーック!……ピューウーー……ボアン……行ったわヨ~ピーンク!」



「すっげーグリーン、足首が体から離れて飛んで行って、ボールを蹴り返した……じゃあ、あたしも……ジャーンプ、よっと。体をひねって、オーバーキーーーク!……ブルー行ったわよ!」



「よっしゃー…………ソレーーーーーーーーバアン!イッケー―――――!」



 行ったーミー先輩の必殺シュート



 ……舞台で歌っている熱唱男の頭上へ向かってボールが飛んだーーー!

 あ!…………ボールが高いか?

 …………あああああ!いや、ボールが急旋回して落ちて来る!


 熱唱男の真上からだあああ!


 決まった!!!渾身のドライビングシュートだあああああーーーー!



 ボオン!バス!……ヒュウウウウウ…………ピカッ!



 コロン!コロン……コロン……ロロロ



 うわあああ……いいぞーー……すっげー……最高!……!!!!



 いつの間にか、カラオケ広場の会場には、たくさんのお客さんが詰めかけていて、大きな声援と拍手を送ってくれた。

 そして、その盛大な応援の声は、いつまでも続いていたのだった。



 ふと、あたしは思った。

 …………この、応援の方が、熱っつくね!(⊙_⊙)?……




(つづく)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る